夏目友人帳〜愛の旋律〜
□犬と猫と友人帳
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あたし、夏目美代子。
19才。
今あたしは、お祖母ちゃん・夏目麗子の遺品を整理している。
弟の貴志が見つける前に取り出しとかないと…。
あたしと貴志は本当の姉弟じゃない。
貴志が生まれる随分前に、あたしは別の次元からトリップしてきた。
…母さんのお腹の中に。
その事、よく覚えてる。
今でも、昔の仲間たちの事を考えてしまう。そしてその前の家族の事も。
あたしは昔、トリップして犬夜叉の世界に行っていた。
そこでは皆優しくて、トリップしたあたしは寂しいなんて考えなかった。
神楽と神無の姉妹も死なず、平和な世界だった。
…勿論、奈落は倒したけどね。
四魂の玉に『願いを言え』って言われた時、あたしとかごめは犬夜叉が来てくれる事を信じ、ただひたすら待った。
そして犬夜叉が来てくれて、あたしとかごめは四魂の玉に願いを言った。
『四魂の玉よ、消えろ』って。
そっからの記憶があやふやだ。
気が付いたらあたしは赤ん坊に逆戻り。夏目家の娘になってた。
貴志「ただいま」
弟の貴志が息を切らしながら帰ってきた。
あ「お帰り。…制服泥だらけよ?
またなんかあった?」
貴志「い、いや…別に…」
貴志にはあたしに妖が見える事を伝えてない。
だからこんなあやふやな返事がくる。
あ「…」
貴志「…あ、そうだ。姉さん、友人帳…ないかな、その中に」
ギクッ
あ「あるにはあるけど…」
あたしはそう言って、友人帳をペラペラと捲った。
…妖怪の名前がぎっしりだ。
唯一今の知識で読めるのは、
ひしがき
露神
ススギ
時雨
美鈴
…まあそんなとこだろうか。
あ「これがどうかした?」
貴志「えっと、ちょっと興味があって…」
嘘だ。
斑に言われたからだろうが、友人帳をペラペラと捲る貴志は、眉間にシワを寄せた。
貴志「これ…一体何なんだ?」
塔子「貴志くん美代子ちゃん、ちょっと買い物行ってくるからお留守番宜しくね」
あ「あ、はーい。
いってらっしゃーい」
あたし達の叔母である塔子さんは妖怪が見えない。その事を知っていたあたしは心底良かったと思った。
…いろんな意味でね。
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