Twisted Wonderland【陽と闇のコンツェルト】

□第2話🔯モストロ・ラウンジ
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あー忙しい。
愛想振りまくのも、楽じゃない…。



ふと目線が気になり、店の入口に目を向けると…



『!(アズール…!)』



この店の支配人が帰ってきていた。



『フロイド…アズール帰って来てる』



フロイド「分かった〜。こっちはだいぶ落ち着いたから、アズール手伝ってあげて〜。依頼人待たせてるし」


『OK』




依頼人が殺到しないように小声で教えると、アズールを手伝うように司令が来る。





『お帰りなさいませ、支配人』




ローラースケートで素早く目の前に移動する。
アズールが一瞬固まった。


アズール「ッ、シオリさん?!何をして…!」


『いやぁ、手当して貰ったし…恩返し?的なw』


にっこり笑うと言葉につまるアズール。




『…それより…依頼人待たせてるし、早めに準備した方いいぞ。
まあ、整理券握らせてるから殺到はしないと思うがね。
…ヴィル達は食事でいいかな?』


ヴィル「ええ、お願いするわ」


『…サメくん!4名様2番テーブルに案内して!
私は支配人の手伝いしてくる!』


*「はい…!」



…あの後謝りに来たオクタヴィネル寮生(同じクラス)のサメの人魚の子にヴィル達を任せて、俺はアズールを自室へと連れていく。



アズール「…まさか、貴女にあんな特技があったとは…」


『あぁ、ウェイトレスの事?元いた世界でもバイトしてたんだよ』



自室にて、ブレザーとネクタイを脱いだアズールからそれを受け取り、代わりにスーツのジャケットと薄紫のストール、上着、蝶ネクタイを渡す。


いつも取引で使用する衣装だから、もう覚えちゃったな…。




アズール「なるほど、通りで……。…ッ!シオリさん、それ…!」



『んぇ?』




こっちを振り向いたアズールが、口をパクパクさせながら指を指す。
目線が俺の頭を見ているから、さしずめ目線の先は…。




『…あぁ、このヘアゴム?フロイドが「この制服にも似合うし、アズールが作ったやつだけどあげるよ」って…』



そこまで言って目線を再度向けると、そこにはうずくまったアズールが…。

なんか、「うあああああああああああぁぁぁ…」ってうなってるけど、どうした?💧



『…別に恥ずかしがることないじゃん。てか、アズールが器用だって初めて知ったんだけど…』

アズール「……それ、失敗作なんですよ…。本当は海のように深い青色にするつもりだったんですが…思い通りの色にならなくて……」


…確かに、先程つける時に見た記憶を手繰り寄せれば、海のように深い青色とは程遠い。
どちらかと言うと、青白い感じで……これはまるで…



『深い青色、ね…。俺は「アズールの目の色と同じで綺麗だな」と思ったから、喜んでもらったんだけど…』



そう呟くと、バッと顔を上げるアズールと目がかち合う。
うっすら涙が見えそうな、青白い瞳…。


『(本当に、綺麗だ…)』



…次第に、目を合わせるのが耐えきれなくなってきたのか、アズールの目が泳ぐ。……ほんのり、耳が赤いのは知らないふりをしておいてやろう。




『…さあ、そろそろVIPルームへ向かいますよ、支配人w
お客様を待たせてはダメですからね』


アズール「…ええ、では行きましょうか」
















(あ、そだ。手当代とこのヘアゴム代返す代わりに、バイト入ってもいいよ。
皆忙しそうだし…)


アズール(…そうですね…。貴女が居れば客引きにも出来ますし…構いませんよ。勿論、バイト代と賄いは出しますので)


(よーぅし、交渉成立!これからよろしくね、アズール♪)








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