世界が輝くとき

□※温かい影
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※ノボリさん視点








わたくしとクダリは、ジャッキーの悲鳴にも似た報告の後、すぐさま中央管理室をクラウド達にまかせて飛び出しました。


本来ホームは走ってはいけないのですが、緊急の為全力で走っていきます。




「ねぇねぇ聞いた?乱闘だって!しかも女の子とポケモン達!」

「えぇ、聞こえてましたとも。まったくもって勘弁して頂きたい!」




乱闘やらお祭り騒ぎが好きなクダリは嬉しそうに言いますが、わたくしは騒々しいのは少し苦手です。

そのせいで、心なしか普段よりも口角が下がっていると思います。

何にせよ、まもなく終電も到着する時刻ですから事故が起きない事を願います。






しかし、事態は思っていたよりも深刻でした。

わたくし達がカナワホームへの階段を駆け降りたとたん。




「ゲスがっ!」




突然響き渡った怒りの篭った叫び声に、わたくしもクダリも肩を揺らして立ち止まってしまいました。そしてホームの光景に驚かずにはいられませんでした。


なんとホームの壁ぎわではゾロアークがバルジーナとレパルダスを相手に戦い、線路に近い方では男がゾロアをホームに押さえ付けていて、その男と予想よりも幼い少女が一人対峙し合っていたのです。

先程叫んだのはこの少女でしょうか?


ですがわたくしは少女の姿を見てとても驚きました!

彼女の足元にもう一人の男が気絶していたからもありますが、それを除いて、彼女自身の格好がとても人が着るものとは思えないものだったからです。

足は裸足で簡素なワンピースのような服を着てはいますが、裾が綻び、焼け焦げた跡や汚れが目立ちますし、何より少女からも異様な気配がいたします。


一体どういう生活をしているのでしょう……?

 
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