世界が輝くとき

□ひとつひとつ
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−−−−−…


森へ入ったあたしとゾロアークは立ち止まる事なく元来た道を引きかえした。


目指すのは待っててくれているタブンネの所。

途中、町の人間が何人かあたし達に気づいたけど問題は無いと思う。
なんせこの世界は平和なんだからね。













『っ何やってるんですか!』




と油断してたら、平和とは掛け離れた怒声が森一杯に轟いてフレアは苦笑いしながら肩を縮こまらせる。




「あは、は。ちょっとやり過ぎた、かな?」

『やり過ぎですし、無茶苦茶です!』




根城である切り株に着くなりフレアに有無も言わさず、タブンネが地面に正座させた。

外で帰りを待っててくれたタブンネと合流したまではよかったが、ゾロアークが経緯を話終えた途端こうなった。

 理不尽だよ…。あれっ理不尽で意味あってるよね?




『タブンネさんっ、もうそれぐらいで…。』




ゾロアークが宥めてくれたが、足元にいるゾロアはすっかり怖がって丸まってしまっている。
そうだよね、あたしだって怖いもん。

しかし続くと思ったお小言は、そこでぷつりと切れた。




『…もう言う元気がないので、止めます。ですけど本当に心配したんですからね。肩に深い傷もつくって、電車に轢かれかけたなんて聞いたら…』




その言葉に驚いて、弾かれたように彼女を見上げた。




「心配、してくれてたのか?」




すると今度はタブンネが驚いたみたいで、隣に立ってるゾロアークと一度顔を合わせると、また見下ろした。




『当たり前じゃないですか!いつも嫌っている光がいっぱいの町へ向かって行ったので、もう心配で心配でっ!』

『私も、フレアさんが轢かれそうになっていたのに、助けに行くどころか足手まといになってしまって。なんとお詫びすればいいのか…。』




そう言う二人の表情は本気で、呆気にとられてしまった。


 
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