世界が輝くとき
□異変と追跡
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あの日から一週間がたった真夜中
「きゃっほーい!」
木から木へ蔦を掴みながらまるでマンキーのように軽々と飛び移る。
そして川辺まで来るとぱっと手を離して川へ水しぶきをあげて飛び込んだ。
フレアはたった一週間で地理を熟知して以来、真夜中の森を楽しんでいた。
あのタブンネからもポケモンの名前を教えてもらいながら、行く宛てがないのかあの木の中で一緒に生活をしている。
あ、後から聞いたけどあたしを治した力は癒しの波動というらしい。
もうすっかりこの世界に慣れ、今は森のボス的存在になっている……何でだっけ。
一人でそんなことを考えていると、タイミングよくトサキントが来てくれた。
「トサちゃん、泡ちょうだい!」
水から顔を出したトサキントに頼めば、
トサキントはあたしに泡を渡してくれた。
森に棲むポケモン達も、フレアが森で生活するうちに存在に慣れてくれ、今やフレアを支援してくれるポケモンがいるほどだ。
服も顔も体も洗ってさっぱりしたら、川岸にいたハトーボーに風おこしをお願いして乾かした。
「いつもありがとね。」
そうトサキントとハトーボーに言えば気にするなと鳴いて笑ってくれた。
こちらの世界には良い人?…訂正良いポケモンがたくさんいるな。
そんな事を思いながら二人に手を振ると我が家の木へと歩いていった。