世界が輝くとき
□平和な森
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・・・暗い。ここはどこ?
何で真っ暗?・・・あ、目を閉じてただけだ。
でも暗いとなんか安心する。
今なら眠れそうだと考えたけど、さっきまで起こっていた出来事を思い出してぱちっと目を開けて飛び起きた、が。
「いだだだ!痛い痛い!」
体中がきしんだ痛さに耐えられず、また倒れてしまった。
そして驚いた。
「なっ、なんだこれ!」
体をあまり動かさないように辺りを見回すと、自分は今、大きな朽ちた切り株の中で横たわっていた。
下は草の感触で、あの兵器の姿もなく火薬の匂いもしない。これまで生きてきた“戦場”とは無縁のような場所だった。
上を見上げれば、ぽっかり真ん中に開いた穴から星空が見える。
「夕方だったのに、もうこんなに時間が?」
朽ち木には横にも人一人が通れるくらいの穴があり、そこからは野原や森が一望できた。
「なんだここ。地獄にしちゃ綺麗だな、うん。」
もう一度頭にこれまでの経過を思い浮かべようとしたとき、朽ち木の外の草むらの揺れる音がして反射的にそっちを向いた。
「な、なにっ。敵?」
しばらく月明かりで照らされた草むらを見ていると、突然
人型の影が飛び出した。
「ぎゃあああ!!」
思わず悲鳴を上げて縮こまるあたし。けど、
「ターブンネー・・・。」
聞こえてきた少し高くて優しい声に、恐る恐る閉じていた目を開けた。
そして入り口にたっていた影を見てポカンと見つめた。
「・・・生物兵器?」
痛むからだに鞭を打って上半身を起こすと、人型の何かがトコトコと側までやって来た。
(くそぅ!コイツ兵器のくせに可愛いよ!だ、だまされるなフレア!外見だけ外見だけ外見だけなんだってばぁ!)
来訪者の姿に一人葛藤していると、優しい声?と思い出してピンときた。
(もしかしてあたしが敵だと思ってない?ならばチャンスだ!)「えーと・・・あたしの言うこと、わかる?」
するとピンクとベージュ色をした人型が頷いた。
「おー通じた!じゃあ、ちょっと助けてくれないか?体中痛くて動けないんだ。」
今度は縦に頷いた人型の何かは、おもむろにあたしの上に手を掲げた。
「?」
その行動の意味が分からないので硬直したが、手の部分から緑の光が体に降り注がれた。
とたん、忌ま忌ましい痛みが消えた。あんなにズキズキしていたのに、何かにぬぐい去れたかのようにパッと消えた。
「す、すごっ!」
驚きながら自分の体の節々を動かしてみる。うん、どこも痛くはない。
「お前すごいよ!ありがとう!」
とりあえず治してもらったのでお礼を言っとく。
『よかった、よかった。』
「・・・え゛?」
あたしはすぐ側で喜んでいる人型を見て首を傾げた。