pokemon
□いつでも側に
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すぐ目の前にあった、大好きな笑顔が消えた。
それは昨日、エメットと別れたから。
理由も言わず、ほとんど私の勝手な都合で。
「フレアさん、大事な事なのでハッキリ言います。もってもあと一ヶ月。手術をしても…、成功するかは五分五分です。後遺症も、残るかもしれませんよ。」
「そう…か。教えてくれてありがとうございます。少し、考えさせて下さい。」
私を見つめる主治医の顔が暗いことから覚悟はしていたが、
ハッキリ伝えられると案外冷静に考えられてしまうものだ。
幼いころから世話になってる主治医のエミリーは『返事は急ぎません』と言ってくれたが、
それだけ私の手術が大変だということなのだろう…。
気落ちした私は、点滴を引きずりながら診察室を出て自分の病室に戻った。
病室はガランとしていて、唯一窓枠に私の手持ちのキバゴがちょこんと佇んでいる。
が、私の姿を見るなり窓枠から飛び降りて全速力で足元まで走って来た。
「キバー!」
「ただいまキバゴ。待たせたね。」
足元に引っ付くキバゴに、知らず知らずのうちに肩に入っていた力が自然に抜けていった。
「さて、キバゴはどうするかな…。」
「キバッ?」
呟いた言葉にキバゴが首を傾げた。
「里親を探すんだよ、もしもの為にね。……エメットの手持ちだったんだから、そこに帰る方がいいか…って痛ぁ!」
「キバッ!キバー!」
ちょ、この子病人の足に噛みつきやがった!
ただでさえ牙が鋭いのに!
「キバゴ!痛い痛い!離して!」
「キバキ!っ、キバー…。」
急にキバゴの声が弱くなり、痛みが無くなったので下を見下ろすと、キバゴが嫌々と首を何度も横に振っていた。
「もしかしてお前、最期まで側にいる気・・・?」
「キバ!!」
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