pokemon
□幸せの記憶
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私はギアステーションに数年ぶりにやってきた。
いつもは仕事関係で引越した先のサザナミタウンからあまり外に行かないのだが、
久々にカナワに住んでる弟達に会いに行こうと思い、遥々ライモンシティまでエアームドに運んでもらったのだ。
だが、久々に来たせいか方向感覚がすっかり麻痺して、駅の中で迷ってしまった。
ちなみにビックリさせたくて連絡はしていません!わぁ、大失敗!
「参ったな、カナワ行きのホームが見当たらない。」
どこだどこだと探してる内に、目の前に人がいたことに気付かなかった私は思いっ切り誰かにぶつかってしまった。
「わ!すいません、よそ見してました!」
「え・・・。」
慌てて謝ると相手は間の抜けた声を出した。
って、ん?この声は…
「あ…んた、ノボリ…なの?」
「フレア姉様!」
私が相手の顔を見上げるなりノボリが満面の笑みで、私に体当たりする勢いで抱き着いてきた!
ちょ、ここ公共施設ですけど!
ほら駅員さんとか他のお客さんが超笑ってるじゃん!
しかもノボリが何故かサブウェイマスターのコート着てるし背が高くなってるし…じゃあクダリも伸びてるんだろうな。
なんて考えたり、色々ツッコミたかったがノボリに絞め殺されそうで出来ない!冗談抜きで、切実に!
「フレア姉様っ、お久しゅうございます!お会いしたかったです!」
「お、おぅ…ノボリは背が高くなったようでなによりだ。一瞬わからなかった。」
「フレア姉様こそ、髪を長くされていたのでわかりませんでした!
お元気そうでなによりでございます!」
「うん、いやだったら元気が無くなる前にまず放してくれノボリ!」
ヤバいヤバい、骨が!骨!骨!みしみし言ってる!
「嫌でございます嫌でございます!ずっと会えなかったのですよ?!離れません!」
そう言うなり腕の力を強めるノボリ。私も背は高い方だと思っていたが完敗した。
ノボリの背丈だと数年前とは違って、私がノボリの腕の中にすっぽり収まってしまう。なんか納得しない…。
と思ってると、ノボリがポロポロと泣き出した。
「…なんで泣くの。」
「だ、だってフレア姉様…。サザナミタウンへ引越してから全く来て下さらないので…。わ、わたくし、嫌われているのかと…。」
あー!もう、かぁわいー!こういうとこが可愛いすぎるから逆に怒れないんだ!あれ、これって私の弱点?弱点か?認めん…。
ともかく何とか背伸びしてノボリの帽子を取ると、頭をよしよしと撫でてなぐさめ+仕返しをする。