pokemon
□めぐりめぐって
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あたしはぶすっとした顔もいいところな険しい表情で
バトルサブウェイ近くのレストランで昼食をとっていた
だけど来る途中、トレインに乗るとよくお世話になるクダリさんと会って、
本人いわく、お昼休みとの事でくっついてきている
そんな彼は、向かい側で自分の頼んだオムライスが食べられないほど
あたしの顔を見てゲラゲラ爆笑していた
くそっ、そう明らかさまに笑われると何かムカつく!
耐えてくれ、あたしの右拳!
「フレア、なにその顔!ひ、ひど過ぎ!あー、おっかしい!」
「クダリさん!こっちは真剣に悩んでるんですよ!」
そう言ってからテーブルの上に置いてある
ノメルとオレンの実のミックスジュースが入ったグラスを乱暴に握ると、一気に飲み干した
あ、美味しいやこれ。
カランと氷がグラスの底について音を奏でた
そんなあたしがいつもと違うと気づいたのか、クダリさんが笑うのをやめた
でもまだ微妙に笑ってる気がする。いや、元からかもしれないけど…
「フレアが荒れてるの珍しい。でも一人で悩むの良くない。よければ話して。あ、秘密ならちゃんと内緒にするから!」
そう言ってしっ、と口に人差し指をあてるクダリさん
あたしはグラスを置くと、周囲を見渡した
今はあの人の姿もないし、午後1時とあって少し騒がしいが自分達の側にはあまり人がいない
おまけにクダリさんは意外と口が固い
それに、誰かに聞いてもらいたいって気持ちもある
「じゃあ、今から話す事はノボリさんには絶っ対に言わないで下さい!」
「うん、わかった言わない。それで、ノボリがなぁに?」
コーヒーカップの中に砂糖を2・3粒入れながら聞いてくるクダリさん
でも笑顔のクダリさんに少し安心した
だからあたしは息を吸ってから、ぽつりと言った
「実は…その、ノボリさんが、手袋をとってくれないんです」
「………はぁ?」
あ、すごい拍子抜けした顔された