pokemon
□初めは一歩から
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ライモンシティの遊園地の敷地内には、綺麗に咲いた花が並んだたくさんの花壇がある。
その花壇の前で、私は屈みながらポケットに入れてきた小さくて丸い肥料を、花達に与えていた。
私は花が好きだ。だからここの花達の世話を任せられてすごく嬉しい。
………ハズなんだけど。
「フレア様!」
ゲッ、今日も来た!
黒いコートを着た名前もわからない人が!
ってか何で相手は私の情報を知ってんだろ…。どっから聞いてんだ!?
「フレア様の育てた花は相変わらず綺麗でございますね!わたくし、いつも拝見させて頂いてます。」
「いや、あ、ありがとうございます?」
「ですがフレア様の方がずっとお綺麗でございます。」
「いやいや私は…。」
「あ、わたくしこれから仕事がありますので失礼しますね。」
「はぁ。頑張って下さい。」
「フレア様にそうおっしゃられたら、頑張らないわけには参りませんね!では失礼します!」
「は、はい。気をつけて。」
言うだけ言うとその人は、コートを翻して行ってしまった。
つ……、疲れた!!
大好きな花の世話が出来るのはいいけど、何故かそういう時に限ってあの人が話かけてくる!
なんか最近頻繁に声をかけてくるし。
いや、人と話すのは嫌いじゃないよ?
ただあの人だと疲れるというか…苦手だ。