pokemon


□地底の王者
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  もう敗退…もう降車…


いったい、いつになったらこの時間から解放されるのでしょうか…。

先頭車両でひとり待ち構えるのは
とても 寂しいものなのです…。



ただトレインに乗り、来るかもわからない挑戦者を待つ。


そんな事を毎日のように繰り返していたある日。

わたくしは、じっと扉を見つめながら、
また今日も誰も来ないのだろうか?
今、どこまで来ているのだろうかと考えていました。

けれど、車両と車両を繋ぐ扉に暗い影がかかった…かと思うと…。


 バァーン!!


「!?」


荒々しいのか威勢がいいのか、はたまたその両方なのか、轟音をたてて扉が勢いよく開かれました。

少しだけ、その音に驚いて肩が跳ね上がってしまいました…。

けれど表情を崩さずにいられたのは、
ようやくわたくしの元へたどり着いてくれた事への喜びの方が大きかったからでしょう。



現れたのはまだ幼さの残る顔立ちをした少女でした。


わたくしはその方に向かって一礼すると、お決まりとなっている挨拶をします。


「本日はバトルサブウェイをご利用下さりありがとうございます。
わたくし、サブウェイマスターのノボリと申します。」

「うん、知ってる。あ、あたしはフレア!みんなが言ってた、ボスはすっごく強いって!」

「そ、そうですか。いえ、仕事上負けるわけにはいきませんので。」

「そうじゃなきゃ!・・・でも今は違う。」


そう言ったとたんでした。フレアと名乗る少女の人懐っこそうな瞳が一変して、まるで刃物のように鋭くなったのです。

わたくしは少女が殺気に似た闘志をとばすとは思わず、お恥ずかしながら一瞬怯んでしまいました。


「全力で戦わないと勝てない相手が来たのよ?」
 
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