□動きだした
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私の幼馴染はモテる



「これ、貰ってください!」


「でも…」



一度は断る、だけど


「一生懸命作ったんです。だからっ…!」

「……じゃあ有難く受け取らせてもらうよ。」



そして彼は優しいから必ず受け取る。
なんだかなーなんかむかつくんだよね。
はぁ、てか今日これで何回目になるんだろう。


……それよりもさ


『何で皆、私がいる前で渡すのよーー!』


「どうしたのいきなり?」



一緒に帰ってる帰り道
私が叫ぶと彼鳳長太郎は首を傾げて顔を覗き込んできた。
あ、それかわいい。

・・・じゃなくって!


『何で私がいる前でチョコを渡すのかって話!』

「言われてみれば全部そうだね。でも何でだろうね…」

『ふんっ。そんなの私への嫌がらせに決まってんじゃん。』

「そんなもんなの?」


そうよ。それに髪の毛巻いたり唇なんかピンクにしちゃったりしてさー
大体ただの幼馴染だって言ってんのに何でこんなことするかなーっ


なんて言っていたら、
私の少し後ろでクスクスと笑い声が聞こえてきた。


『……何よ。何がおかしいのよ。』

「ごめんごめん。でもそれってなんか嫉妬に聞こえるよ?」

『なっ…んぅっ!?』


彼より数歩先を歩いていた私は足を止めふり返ったと同時に
私の唇に長太郎の唇が押し当てられた。


『なっ何すんのよ!』

「何って、キス?」

『そんなのは分かってる!なんで今キスしたのよ!第一私たち幼馴染でしょっ!?』

「なんか名前がすごくキスして欲しそうな感じだったから。」


なんの悪びれもない発言をした長太郎にキッと睨みつけた
すると長太郎は余裕そうに微笑んで腰を曲げ私の顔を覗き込んだ。


「何?そんなに見つめて…もう1回して欲しいの?」

『なっ!だっ誰がっ!!』

「俺はしたかったんだけどな。」

『へっ?』


残念だな。なんてわざと耳元でいうから顔に熱が集まっていくのが自分でもわかった。


「クスッ、顔真っ赤だよ。」

『っっ!』



私の反応を見て満足したのか
長太郎は私の手を引いて止めていた足を動かした



それと同時に私の中の何かも一緒に動き出したきがした。

















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