□愛してる
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深夜1時、
そこに窓から差し込む月明かりに照らされ浮かび上がった男女二人の影が重なっていた。

『んっ……ふっ』


チュッ、ピチャ…

静かな空間に響く二人の唇から紡がれる甘い音が脳に直接入り刺激する。


「んっ、ほら…隠さないで、顔が見えないだろ?」

『んうっ……だっ、て…っ』


こうして精市と行為をすることは、それなりの回数を経験してきたけど、毎回の事ながら恥ずかしさばかりはそう簡単に抜けない。
だから私は手で顔を覆った。
これは神の子、幸村精市への小さな抵抗。

でも…そう上手くいくはずがない。



「ふぅん…───なら、隠す余裕を失くさせてあげるよ」

『っひゃあぁっ!』



胸の突起に吸いつかれ、舌で転がされ…もう片方はピンッと爪で弾いて、引っ掻く。
チュッという音と左右で違う刺激。
精市の気紛れに入れ替え、丹念に胸を愛撫される。


『んっ……ふっ……んんっ』

「どう、気持ちイイ?」


精市の愛撫により次第に私の秘部が熱くなって蜜を孕み始めるのが分かった。
気付かれないように必死に押し寄せる快感に堪え、声を押し殺したのだがそれに、
あの幸村精市が気づかないわけが無く。


「クスッ…早いね、久しぶりだからかな、名前のココ、もうびしょびしょだよ」

『んぁ、言わな…いれっ…やぁっ…っっそこっ、はぁっ…!』


「ここだろ、イイのは」

精市の細くて長い綺麗な指が私の胎内へと潜り込み、入ったかと思ったらいきなりくっと曲げて私の一番感じる場所を確かめるようにつついた。
ピクンと私の腰が跳ねたのを確認すると、精市はわざとその一点を避けて指を動かす。
当然、私にとっては物足りないわけで…

『っやぁ、そんなの、嫌…っせ、いちっ……んっ…ちゃんと、さわっ、てぇっ…』

「……フフッそんなに良いの?」

『う、ん……すっごく…気持…ちっ、いい、のぉっ』

「クスッ…仕方ないなぁ」

顔を隠していた指の隙間からチラリと見上げれば、いつもの不敵な笑みを返してきて、さっきとは反対に今度は私のイイ所だけを攻め始めた。
…ああ、私はまた彼に呑まれてしまう。


ずぷっ、ぬちゅっ…クチュッ

『は、ふぁぁ!!そん…あぁっ、いきっな、り…やァ!あっ!あっ!イちゃうぅっ』

「フフッ…さぁ、イきたいならイきなよ」
『あっく、も、イっ…ふぁあぁっー!!』

あまりの激しさにとうとう手を顔からどけ、快感に押し潰されないようにシーツを思い切り握りしめて私は果てた。

「フフッ…イイ顔、そそられる」

その一部始終をばっちり見ていた精市は、私の蜜の絡んだ指をぺろりと舐めて私を見下ろし、妖しく口角を上げ微笑んだ。


ぐいっ

『きゃっ!?』

「俺さ、今日はもう疲れたよ」

『っえ…?』

「ヤりたかったら後は名前がしたいようにしてくれて良いよ」

フワリと体が持ち上げられたかと思ったら、精市の上に跨がっている状態。
まさか…これは…。

「何度かシてるから分かるよね?」




私これ1番苦手なんだよ……
って――違う違う。
今はそれどころじゃない。
どうしようもなく精市が欲しくて、
秘部が疼く。

「するの?しないの?」

『…っつ』

ごくりと唾を飲み込み
私は覚悟を決めて、自身に触れる。
精市は相変わらず涼しい顔をしているが、
下半身のソレは脈を打ち大きくなって熱を持っている。
……欲しいのは多分、精市も一緒。
私を求め、大きくなった精市の一部を触ると、ピクンと動いて…なんだか可愛い…――なんて思った。

意を決して私は少し腰を浮かし精市のソレを秘部にあてて腰をゆっくりと沈めていく。


『っぁ、あぁ……!』

私の中は十ニ分に濡れてるから痛くはない。
ただ、毎回の事ながら精市のソレに押し広げられる感覚が、キツい。
時間をかけやっとの事で精市のを根元までズッポリ咥え、ナカが落ち着くまで私は暫く身悶えていた。

「ちょっと名前、俺を生殺しにする気かい?」

『ちょっと…、待って……よぉ…んっ……はぁ…っ』

「……もう十分待ったよ」

『っひゃんっ!?』

下から一回ガツンと突き上げられると、
ただでさえいっぱいいっぱいの中はさらにきつくキュウッと彼の自身を締め上げた。
それと同時に私の腰が勝手に動き始めた。

『は…ァア…ん、あっ、んは…』

いつも精市がするように、いい場所に狙いを定めて腰を揺らす。
気持ちよくて、だらしなくも開きっぱなしの口からは絶えず矯声が出てしまう。

じゅぼっ、ぐちゅっぐちゅっ

繋がった部分から漏れる愛液が、動く度につーっと太股を伝い私の脚や彼の太股にたれ汚していく。


『あっあっあっ!んっ…あんっ……あぁぁっ!!』
「くっはぁっ名前…見てご覧。俺のが名前の中にっ、入ってるよ」


精市が、時折甘い吐息を吐きながらそんな私を見上げている。
ねえ
貴方の瞳に私の姿は
どんなふうに映っていますか?
触れたいのその優しい視線ごと
欲しいの──あなたを抱き締めたい…
知らぬうちに、私の目からは雫が滑り落ちた。


「───綺麗だよ、…名前」

腹部に置いていた手を取って、指を絡め合い掌を重ねて握りしめる。

『…せっ、ちぃっ…気持ち、い?……っあぁ!』
「フフッ…、巧いよ名前」


快楽に耐えるように寄せられる眉の皺がそれが真実だと告げる。
誉めてもらえたことが嬉しくて、私はもう一度腰に力を入れた。

『っああ!も…せ、いちっ…!んんっ!ゃあっ』

「…名前…っく……」

『っあ!ひゃ、せいいっ…きゃアッ?!』
「イくよ…っ…ァ…!!」

『…っああぁ──っ!!』

ビクビクと大袈裟なくらい痙攣して私は達した。
朦朧として、体もだるくて、そのまま前に倒れこむ。
私を受け止めてくれた体が僅かに震えるのと、胎内にうちつけられた熱を感じながら、私は意識を手放した。


──耳元で囁かれた

「愛してる」の言葉を噛みしめながら。






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