ONEW

□僕らの順位
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マネージャひょんを一人、車に残し
僕らは足早にエントランスに向かった。





最近引っ越してきた新しい宿舎。




以前よりも少し大きなマンションで、いろんな部屋のタイプがあるって聞いた。




僕らみたいに複数で暮らす、いわゆるファミリータイプのところもあれば、
一人暮らし用みたいな1部屋だけのタイプもある。




でもそれは、マネージャひょんに聞かされる前から実は知っていたんだ。



で、そのマネージャひょんは僕らを降ろして再び事務所に向かった。

今日はまだ仕事が残っているらしい。

僕ら以上に休みがなくて大変なのはマネージャひょんだと思う。









pipipiー




ジョンヒョンが玄関のロックを解除してドアを開けると、キボムが先に入る。

続くようにジョンヒョン、ミノ、テミン、


僕は引き継いだドアノブに手を掛け、みんなが入るのを静かに待つ。



僕が玄関の鍵を掛ける頃には、
みんな荷物を置いてリビングに向かっていた。






「「「「ララヌナ!」」」」



ざわつく四人の声のほかに、遠慮がちなあいさつが聞こえた。





ジョンヒョンがドアを開けたときから不思議だったんだ。



朝出かけるときには必ず電気を消して出ている。


ゲームの電源はミノとテミンに決定権があるので、
(というか、消してしまうと後に激怒されるので)

そっとしておくが、それ以外の場所は丁寧に確認する。



それなのに、今日はあたたかい光が迎えてくれて、少しほっとした。



それは光だけじゃなかったんだね、ララが来てくれてたなんて。





「ララー?、いらっしゃーい!」




もちろん僕の声は、嬉しさのあまり上ずるわけで。



「オニュひょん!なんでララヌナがいるの!!?」



にこにこリビングに来た僕にテミンが詰め寄る。

すっかり目は覚めたようだ。







『ジンギ…、お帰り。
やっぱりわたし来たらまずかったんじゃない…?』




「どうして?いいじゃん、みんなダメじゃないでしょう?」






「えっ!全然っ!!ダメじゃないよ!
嬉しいよ、ヌナ!!
まさかこんなところでヌナに会えるなんて!
抱きついてこの気持ちを表現したいくらいっ!」



「えーぃ、ジョンヒョン!そんなことしたら僕が許さないっ!」




「冗談、冗談。笑

そのくらい嬉しいってこと〜」



「ほらね、だから心配ないって。

わぁ、ララ。もしかしてお夜食作ってきてくれたの?」



『うん。ほら、みんなご飯も食べないで練習したりするって言ってたから。

こんな時間だし、あんまり食べてもよくないんだろうけど、お腹空いてるかな?と思って。

大したものじゃないけど、』




「うわぁ、嬉しいよっ♪」



僕とジョンヒョンがニコニコしている横で、


この状況にどうにも馴染めないんだと、
無言で、でも全身で訴えているキボムとミノとテミン。




この三人は本当に素直だ。




柔軟性のあるジョンヒョンはすぐに状況に馴染み、

ソファーに座ると、隣の席をポンと叩いて
ララに座るよう促している。



「これ食べていいの?」なんて、楽しそうだ。





「オニュひょん、どういうこと?説明して?」

キボムが詰め寄る。




心配そうに僕を見つめるララに気づいたのだろう、ミノがやさしく
「僕らララヌナが来てくれたことを嫌がってるとか、
怒ってるとかそんなじゃないですから」

そうフォローしていた。





テミンはといえば、食欲に負けたらしく、

ちゃっかり席についてジョンヒョンとともに
これは何、あれは何だ、と鍋や器の中身を真剣に聞いている。




そんな僕の視線に気づいたキボムは
「僕だけが悪者みたいじゃーん」と、嘆いて僕の笑いを誘った。




「あはは、ごめんごめん。悪かったよ。
ちゃんと説明するから。ね?キボム。

お腹も空いてるし、ララがせっかく作ってきてくれたんだから、
食べながらでも…いいでしょう?」



他の三人の視線がキボムがどう応えるのかと集中している。




「んもぅ!わかったよ。


あっ、ララヌナいらっしゃい!
食事の支度までどうもありがとう」




キボムはしっかりしている。



感情がすぐに表に出てしまって、誤解をされてしまうこともあるけど、

ただ正直なだけ。




「みんなちゃんとお礼言ったの?」とキボムは付け足した。





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