MINHO

□僕の帰る場所
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一日の終わり






「ただいまー」





君の眠る、君の部屋にこうやって帰ってくることが、

僕の幸せって知ってる?








もう1時か。


そっと鍵を開けて、




部屋に入るとやっぱり真っ暗。










今日来るって言ってなかったもんな、



寝てるよな。







上着を脱ぐことも忘れて、



僕の足は君の眠る寝室に向かう。







ベッドの半分に気持ちよさそうに眠る君を見ると、




抱きしめたくなるし、キスしたくなる。






けど、起こすわけにはいかないから
そっと頭を撫でて、
しばらく寝顔を見つめる。







触れた僕の手に反応するように、
むにゃむにゃ言ってる。君。










こんなに可愛いなんて。







年上なんてうそみたいだ。








ただ見つめているだけで、



無意識に唇に近づいてしまう。











あ、手洗ってないや。











やっぱり我慢できなくて、キスしようと思ったけど、

手洗いうがいしてないと、君はうるさいからな。








前髪にそっとキスを落とし、


ベッドから離れた。













「はぁ、彼女ってこんなに可愛いんだな。」






思わず声に出てしまう。









そんな自分に恥ずかしくなって、
声を出して笑ってしまった。









慌てて、眠る君を見ると


変わらず気持ちよさそうに寝息を立てていてほっとした。







「風呂、入ってこよ。」





ひとり呟いてバスルームに向かうと、



やさしいアロマの香りと、あたたかさが僕を迎えてくれた。






沸かし直してくれたんだね。







何時に来るかもわからない、


もしかしたら来られないかもしれない僕のために、


支度をしてくれる君が愛おしい。







んー、早く抱きしめたい。






逸る気持ちを抑えて、今日の疲れを洗い流す。

やさしい香りに包まれて、すっかりいい気分。









冷蔵庫の水に手を伸ばすと、

君からのメモがあった。





“おなか空いてたら、起こしてね。”






もう、なんていうか…たまらない。






水もそこそこに寝室に行き、
君が空けておいてくれたベッドの半分に横になる。






もう一度「ただいま」と言って、
君を後ろから抱きしめてみる。







『ん、、、』





少し窮屈そうに声を出すから、慌てて腕を緩めた。






『ん?ミノ…?』





「あ、起こしちゃった。ごめんね?」






『んーん、お帰り。』






目を擦りながら、僕だとわかるとすぐに笑顔を向けてくれる君。







『おなか、空いてない?何かつくる?』






眠いのに僕を気遣ってくれる。






「いや、一緒に寝たい…かな」





自分で言っておいて恥ずかしくなる。






うなずく君の頬が少し赤く見えて嬉しくなった。






僕の腕の中で丸くなる君。






小さな隙間から顔を上げて、『おつかれさま』なんて言うから、



壊れるほど抱きしめたくなる。








けど、壊れてしまったら困るからやさしくキスをする。







「明日は夕方からだから、ゆっくりできるよ。」







『じゃあ、朝ご飯もお昼ご飯も一緒に食べられるね。』






嬉しそうに微笑んで、




何が食べたい?一緒につくる?




なんて楽しそうにするから、
僕の眠気や疲れはどこかに消えてしまうよ。







だけど、明日があるから今日はもう寝ようね。








それにしても、彼女って可愛すぎる。

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