TAEMIN

□手当て
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「ララちゃん、眠れないの?」






『うん…。



なんか目が冴えちゃって…』









眠れるわけ…ない。




外は嵐のような雨。




窓に打ち付ける雨音もそうだし、
ビュービューと鳴り響く風の音も一向におさまる気配がない。




そんな外の様子とは、反するように静まり返るララの部屋。


それはまぁ、そんな時間だからだったりもするんだけど。
部屋の時計が、まもなく2時を指そうとしている。






「こっちおいで」


隣で横になっていたテミンがもっと近くに来るように、
ララの枕を掴んでテミンのとぴったりくっつくように並べ直した。





「外の音、うるさいね。こわい?」






『んーん、平気…
ごめんね?起こしちゃったね…』





少し前まで寝息を立てていたテミンが、ララを心配して起きてしまった。




けど、正直こんなに近くに寄せられたら、もっと眠れる気がしない。










今日はテミンがララの家に遊びに来ていた。


夜になったら帰る予定だったが、この嵐で帰る術がなく、
仕方なく泊まることになったのだ。



マネージャーに相談したら、迎えに来てくれただろうが
そんなことしたらララとの関係がばれてしまう。

実家にいることになってるから、こんな天気の中帰るのはかえって怪しいからだ。










ということで、突然迎えてしまったはじめての二人きりの夜。



狭い家だから、どうしたって隣に寝るしかなくて。
外はうるさくて、隣にはテミンがいて、
そんな状況、眠れるわけ…ない。





それに、目を閉じて気持ちよさそうに布団に包まるテミンは、
本当に天使みたいで、きれいな寝顔はいつまでも見ていたくなるほどで、
眠れないことが都合よく感じたりもしていた。





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