本
□赤き少女
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「病気のおばあさんにお菓子とぶどう酒を持っていってあげてちょうだい」
ある日、母は私に言った。
私のおばあさんは体が弱く寝たっきり。
だから、定期的にお見舞いに行っているのだ。
家を出る時、毎回被っている赤い頭巾を被り母に渡された籠を持って家を出た。
町の外れにある森。
決して深いとはいえないけど、でも結構な深さはあるもりだ。
私は森の中へと進んでいき、おばあさんの家に着いた。
「おばあさん。私です。赤ずきんのフランチェスカです」
おばあさんの家の扉をノックし言った。
「入っておいで」とおばあさんが言ったので私は家の中へと入った。
「おばあさん大丈夫?これお母さんに頼まれたものよ。お菓子とぶどう酒」
「ありがとう、フランチェスカ」
おばあさんは微笑んだ。
体が弱いせいか一日中ベッドにいることが多い。
なので、私や母がお見舞いに行くと掃除や洗濯などを代わりにする。
「果物を持ってきたの。一緒に食べましょう」
私はそう言って一つのリンゴを出し、台所へ行って食べやすいサイズに切った。
リンゴをおばあさんの元へ持っていき、私は椅子をベッドの横に寄せて座った。
「おばあさん、この森には狼が出るらしいから気をつけてね」
「こんな年寄りの肉なんか美味しくないよ。フランチェスカは優しいね」
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