番外編
□麦わらの一味の小話
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“どうにもならない五人”
ローグタウンより。
逃げる時にたしぎと鉢合わせした時の会話。
◇◆◇
「ミコト、貸しだぞ」
『うん…ゾロありが……』
「ちょっと待て! 何でミコトちゃんが、お前に貸しをつくんなくちゃいけねェんだ!」
サンジがゾロの肩を掴んで怒鳴った。
「お前は知らねェんだ……関係ねェだろ!」
「関係なくても駄目だ! お前との貸しなんて作らせるか!」
「うるせーっ! 黙ってろ!」
「おれがミコトちゃんの貸しを払う!」
「はァ!? クソコックになんて払って欲しくねェよ!」
「何だと払うって、言ってんだろうが毬藻頭! 素直に貰っとけ!」
「てめェのなんて、いらねェんだよ!」
睨み合うゾロとサンジの攻防は激しくぶつかった。
ミコトは困っていた。
いつもならナミが一発で止めるが、今は頼りのナミがいない。
ルフィはやりたいならやればいいという感じだし、終わりそうにない。
どうしようかと考えを巡らすミコトの手をサンジは握った。
「ミコトちゃんの貸しはおれが貰う。 だから、ミコトちゃんはおれに返してくれればいいからさ!」
『は!? な、何で?』
「クソ剣士の貸しなんて、何頼まれるかわかんねェ…危ねェだろ? だから、おれが……」
シュッ…! とゾロの一刀が握る手に閃いた。
サンジはミコトの手と体から離れた。
「テメェの方がよっぽど危ねェだろうが! エロコック!」
「何ィ!」
「これはおれとミコトの話だ。 割り込むんじゃねェよ!」
「だから、どうした? レディを野獣にくれてやる気はねェんだよ!」