My Turn
□NO WORDS
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異なる環境に生きていることや、国や言語が違うことや、目の色や肌の色が違うからといって、それが何だというんだ。
俺は彼を見つけたし、彼も俺を見つけた。ただそれだけのことだろ、そこに壁なんてない。
互いに何か伝えたことはない。でも、俺にはわかる。彼が感じてることや考えていることが。
こんな感情をどうしたらいいか悩むなんてことはない。俺は彼を尊敬してるし、彼がしてきたことは、ただただ素晴らしい。
彼の活躍を見聞きするだけで喜びさ。もちろん、彼もそうだと思う。ネットを開けば、彼がどこにいて何を成し遂げたかは一目瞭然だ。
きっと彼も同じだよ。モニターの先から俺のプレイを見て、聞いて、喜んでくれているはずだ。
彼に対する気持ちは何があっても変わらない。きっと、彼もね。
◇
僕らに何があったかなんて誰にもわからない。僕らにしかわからないことがあるからね。
何かを成し遂げた人は皆孤独だ。僕もそう、彼もそう。
だからかな、彼と僕は気が合うんだよ。波長が同じというか、心の色が似ているというか、ね。
何も伝え合わなくてもわかるんだ。彼が何を感じているか、何を考えているか、手に取るようにわかるんだ。
悲しい時、悔しい時、そんな時僕らはふと互いを求めることがあるんだよ。でも、そんな時だからこそ僕らは離れたままでいるんだ。彼には彼の、僕には僕の仲間や家族がいるからね。
それでも、いつだって彼を想ってるよ。きっと彼も、僕を想ってくれている。