My Turn

□Viva la BL.Viva la GL.
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 恋なのか、愛なのか、その差は私にはよくわからない。
 同性愛だから、愛なのか。異性愛だから、違うのか。そういう分け方はないだろうし、その重み、想いの深さ、大きさに関係があるのかもしれない。

「きっとさ、男同士だと早い段階で、愛情に変化するんじゃないかな。気持ちが存在するってだけで笑われることだってあるのに、それを、想いの強さで超えてるわけでしょ」
 あごを支える彼女の手の平が、とんとんとリズムを刻む。

 確かに、世間一般的な恋愛は気持ちが存在すること自体は普通のことで、喜ばしいことだ。誰も笑わないし、簡単に否定したりしない。
 でも彼らは、その存在自体を蔑まれ、否定され、拒否される。

「大きな反対にあって折れてしまうくらいの想いは、きっと愛とは言えないよ。強い想いは、どんなことがあっても折れないの。強いのよ。それが、」
 愛? 満点の回答を口にした私に、彼女は軽くウィンクを返してくれた。

 唯一、その存在を守るのだ。
 彼自身で、彼の心にある想いを守る。固い決意で、相手を想う気持ちを強く持つ。誰に笑われようと、誰に否定されようと、拒否されようと。

「きっと人として強いよ。心の強い人。彼を想うために生まれたとか、彼と出会ったのは運命だとか、恥ずかしいことも言っちゃったり」
 口に出した自分の言葉に恥じらいを感じたのか、彼女は小さく肩をすくめた。まるで、言われてみたいと思っているようだと私は頬を緩めた。

 恥ずかしくはないのだろう。彼らは思っているのかもしれない。本当に彼を想うために、出会うために生まれたと。それが、運命だと。
 そして、その運命を受け入れた彼はきっと一直線にその人を想うのだ。

「好きになった彼が、出会った彼が、男だからじゃなくて、彼だから好きって。そんな気持ちだよね、きっと。他の誰でもない、彼だから。人として、一人の人間として」
 人差し指を立てた彼女が、私の鼻先に細くて白い指をそっと置く。

 一人の人間として、男とか女とか関係なく、彼という人間を想う。その気持ちはきっと強いに決まってる。
 存在した時から目の前にそびえ立つ大きな壁を乗り超えたのだから、固い壁を壊してきたんだから、彼に怖いものなどきっとない。
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