Sour1

□あなたに愛を、僕に鎖を14
1ページ/4ページ


 全裸になった住友が衣服に身を包んだままの佐野に向き合う。
 佐野は右手にスパンキング用の棒を持ち、目の前にある裸の体を舐めまわすように眺める。
 ゆっくりと住友はフローリングに手をつき、膝をついた。尻を出し、結んだままの唇と請うような視線で佐野を見上げる。

「打たれたいのなら、打ってやる」
 一言だけつぶやき、佐野は右手を振り上げた。


 それは想像していたものとは全く異なるものだった。
 佐野から受ける痛みは快感の伴うものだと思っていた住友は、そのあまりの激痛に声を上げた。

「いてぇ! いてぇよ!」

「言っただろ。泣いてもやめない」

 手足は自由だ。痛みから逃げることもできるが、住友は数回のスパンキングに耐えていた。
 だが、それはたったの数回。
 佐野の腕は止まらない。

バチン!

 一回毎に痛みは増す。同じ位置を叩いているせいもあるが、重いのだ。佐野は加減をしていない。
 思い切り振り下ろし、住友の尻に棒を当てる。

「ちょっと待って! いてぇって、もう無理!」
 手で尻を覆い、振り下ろされる棒から逃げる。もちろん、住友のペニスは反応していない。小さく縮こまり、痛みに萎える。
 その行為とその反応に、佐野は苛立ちを感じる。

 言った通りにできない奴隷は、奴隷ではない。
 他のパートナーは逃げない。尻を掲げ、一層痛みを欲する。
 他の奴隷は反応する。痛みに濡れ、痛みに喘ぐ。

「やめないと言ったはずだ。約束を破ったのは誰だ? お前だろ。罰を受けろ」
 無理矢理住友の腕を退かし、赤くなった尻を叩く。

バチン!

「うあっ!」

バチン!

 尻を叩く音と痛みを訴える呻き声が広いはずの部屋に充満した。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ