短編書庫
□この終わりのない狂った愛に、
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「アンタ、正気か」
手足を拘束されている横澤の、強がりながらも焦り、冷や汗が出ているような声に俺は口角が上がっていくのを止められなかった。
──横澤隆史。
俺の可愛くて可愛くて愛しい恋人。
「いたって俺は正気だよ。常にな」
「…はっ、言ってるそのツラ鏡で見てこいよ、」
だけど、オイタが過ぎたようだ。
「…お前、今日高野と話してたろ」
自分でも驚くような冷やかな声の低さに、横澤はびく、と肩を竦める。
「いい加減にしろよ、まだ、諦めきれねーのかよ」
「…そんな、すぐに気持ちの整理がつくかよ」
「つけろよ、俺がいるのに」
自分でも無茶苦茶言ってるのは分かるけど、目の前で自分の恋人が他人といちゃついてたら こうも言いたくなるだろう。
「…。」