SketDance

□Wheedling Child
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※ボス男マックス変態



期末試験まであと数日。
藤崎と僕は藤崎家で勉強会をしている。

「椿ーここ分かんねーんだけど」

「どこだ?」

ここ、ここ、と藤崎は数学の、上から二つ目の問題を指差した。
しかし、反対側に座っている僕からは見えにくい。
しょうがないな、と思いながら藤崎の隣に移動する。

「これは……」

僕は膝をついたまま机に身を乗り出し、出来るだけ分かりやすいように、と心がけて説明を始めた。

しかし、途中まで話したところで、僕は藤崎があまり真剣に聞いていないことに気づいた。
なんせ相槌がたどたどしい…というかタイミングがおかしいのだ。

「藤崎、聞いてんのか?」

人が折角教えてやってるのに聞いていないなら説明する必要ないだろう。
僕だってやらなくてはならないことがあるのだ。


「あー悪い、ちょっと集中できなくてな」

「…?珍しいな」

僕は面食らった。
ついさっきまで感じていた若干の苛立ちを忘れるほど。
普段見る限りでは藤崎はかなり集中力があるほうだと思っているからだ。

…まあちょっとお前のことが気になってな」

藤崎はテンパった時に見せる説明し難い変な顔をした。

そんなことよりも。
藤崎が集中力がない理由は僕にある…?
自分では正直見当が全くつかない。

「これだよ、これ」

僕が不思議そうな顔をしていたからだろう、藤崎は自分から理由を話し始めた。
そして『これ』と指差された先にあったものは、


僕の、股間。


「そういえばお前の、形きれーだったなあって」

そう言って藤崎は少しはにかむ。
そこはにかむところじゃないだろ、と突っ込む余裕さえ今の僕にはない。
僕は味わったことがないほどの羞恥に襲われる。
むしろ、あんなこと面と向かって言われて恥ずかしくない人がいるだろうか?

「そ、そんなこと気にしないで、べ、勉強しろ…!」

動揺が思いっきり言葉に表れてしまう。

「近頃ヤってないだろ?久しぶりに椿の見てえんだよ」

藤崎は俺を真っ直ぐ見てまたはにかんだ。
でも、さっきのはにかみとは違った。
何かが、違った。

僕は怖くなって無意識に股間を手で隠す。

「藤崎落ち着け、」

僕にはそう訴えることが精一杯。
足が震えだす。
それでも、僕の心に反して藤崎は着実に歩み寄ってくる。

どんどん後ずさっていった僕の背中にひんやりとしたものが触れ、それが遂に行き止まりに来てしまったことを告げる。
元々、狭い部屋だから捕まるのは承知だった。
ああ、もう逃げ場がない、と改めて思わされる。


別に僕は藤崎とヤることが嫌なのでは決してない。
ってこれじゃ僕が変態みたいじゃないか!
…まあとにかく、ヤることが問題なのではないのだ。
ただ、僕には心配なことが二つあった。
一つ目は明日学校があること。
今からヤったら、明日休むことは確実だ。
二つ目は藤崎の望みに応えられるかどうか。
前ヤった時は初めてで、ただ言われるがままに動いていた。
もし今回ヤるとしたら二回目になる。
きっと藤崎は前回よりも快楽を求めているはずだ。
しかし、もし僕が彼のそれを満たすことができなかったら?
終わった後に『ああ、つまんねえな』と思われてしまうかもしれない。
見放されてしまうかもしれない。
それが今の僕には怖くてしょうがないのだ。


「椿、」

僕と藤崎の距離、数十センチ。
もう絶対に逃げられない。
押し倒される。
そう思ってぎゅっと目を閉じた。

しかし、予想していたことは全くおこらない。
不思議に思って目を開けようとしたその時。

「…っ、はあっ」

藤崎が自分の舌を無理矢理僕の口に押し込んできた。
上から下へと藤崎の舌が丁寧に歯をなぞっていき、その際の唾液が交わる音がくちゅくちゅと部屋に響きわたる。
息が、息が、できない……。


「ぷはっ、」

長い長いキスを終えた僕の意識は酸欠で朦朧としている。
お陰で真っ直ぐ立っていられなくなり、前にいる藤崎に体を預ける形になってしまった。

「誘ってんのか?」

耳元で藤崎の声がした…と思ったその瞬間。

カチャカチャカチャ

僕のズボンのベルトを取る音が聞こえた。
勿論動作主は藤崎。
しかし、僕は相変わらず意識が朦朧としている為に抵抗できない。

そして僕の下半身に空気が触れると、そのまま仰向けに床に押し倒された。






「藤崎っ」

微かに戻ってきた意識の先にあっのは、馬乗りになって僕の上半身を優しく撫で回している藤崎だった。
どうやら気を失っている間に、下のみならずシャツのボタンも取られていたようだ。

「椿ってここ好きだったんだっけ?」

焦る僕のことなんてお構いなしに、藤崎はそう言ってぐりぐり、と僕の胸の感じやすいところばかりを右に左に指で弄んだ。
それだけの行為で僕はもう興奮し始めてしまう。

「乳首気持ちいーんだな、やっぱ」

「別にそんなこと、ひゃぁっ」

藤崎は僕を無視してそのまま乳首を舐めた。

「椿やっぱ可愛い」

僕は反論しようと発しそうになった声を懸命に圧し殺す。
この状態でそんなことしたら先程のような、不本意な喘ぎ声が出てしまうからだ。

「…っ」

「何だ?無理してんのか?」

しかし、どうしてか僕の思惑はすぐにバレた。
藤崎は、乳首の感触が止めた代わりに僕の口の中に手を入れ、無理矢理にでも僕に声を発させようとする。

「ん、ぁ、ふ」

堪えようとしても今度ばかりはダメだった。

弧を描いた僕の唾液がついた手を見つめると藤崎はすぐに僕を抱き締めてきた。

「さ、触るなっ」

「なんでだ?」

なんでって聞かれても、

「……恥ずかしいからだ」

としか答えようがない。

それに藤崎の家族だっている時間だ。
そんな身内のような人にこの状況を見られたら黒歴史どころの話ではない。

「もう勃ってんのに?」

そう言って藤崎は僕のあれの中に指を突っ込んだ。

「ぁっあぁ」

始めは一本だったのが二本になり、どんどん中が熱くなっていく。
相変わらず藤崎の掻き回す行為は丁寧だ。

最初より大分入り口解されてきているのを感じる。
しかし、また掻き回される感触が大きくなった。
どうやら指を一本加えたらしい。
これで、三本目。

こんな指を何本も突っ込まれている僕のそれはどうなっているのだろうか、という疑問が頭をよぎった。
が、すぐに考えるのを止める。
想像するだけでイってしまいそうだ。

「挿れていいか?」

今日初めての藤崎が僕のことを配慮するような発言をした。

…しかも聞かなくていいことを。

「…はや、くしろっ」

破廉恥なことに、やはり僕は一度味わってしまった快感が忘れられない。
あの二人の精液が混じりあった瞬間を。
藤崎の全てを受けていたあの時間を。
どうしてもあれをまた感じたい。


「う…っ」

返事をせずに藤崎はそれをいきなり挿れてきた。
容赦は全くない。
少し苦しいが、さっき解してもらったお陰でなんとか堪えられるレベルだ。

「ぁっ」

藤崎のそれが半分入ると徐々に気持ちよさの方が勝ってくる。
僕が求めているあの感覚まで、もう少し。

「っ…椿、力抜けっ」

そういえば前ヤった時も同じこと言ってたっけ、と思いながら言われた通りにする。

僕の上半身が床と平行になった瞬間、ぐぐ、と藤崎のものが全て僕の中に入ってきた。
と同時に僕の精液が溢れ出し、中を更に熱くさせる。

「はぁっ、…ぁあっ」

突然の突き上げに体がついていかない。
お陰で不本意な喘ぎばかりが発せられる。

「佐介、佐介」

いつもはしない名前呼びに、僕の興奮は高まる。
そう、僕達は双子なのだ。
家族内のエッチなんて禁断そのもの。
でも、家族だから、双子だからこそより感じれる互いの胎内。

「ゆ、うすけ」

「佐介愛してる、愛してる」

「…っぼくも、」

愛の言葉を発する度に藤崎の行動どんどん激しさを増し、

「はぁああん」

突き上げられると僕の口からは自分のものと信じたくないような甘い声ばかりが漏れる。


「可愛い、っ佐介」

「ゆうすけえぇえっ」

「佐介、佐介」

部屋に響くのは僕達の互いを呼び合う声と、性器が擦れ合う音だけ。

耳元でしているのかと錯覚を覚えそうなその音に飲まれながら、藤崎のと繋がっている部分の熱さを感じながら、


僕達は果てた。



***



「佐介?起きたか?」

目覚めてすぐ聞こえたのはセックスの途中のような優しい声。

隣にある時計を横目で見てみると午前6時だった。
学校には全然間に合うだろう。
でも、今日はいいか、と頭のどこかで思った。

「佑助、」

「…?どうした?」

昨日のは上手くできていただろうか。
前回よりは彼の欲求を満たせただろうか。

「…なんでもない」

でも、正直今はそんなことどうでも良かった。


藤崎が僕を抱き締めて、髪に小さくキスをする。

「佐介、好きだぜ」

そう。
今はただ、佑助の体温を感じれるなら、佑助に好きって言ってもらえるなら、それで十分なのだ。

…今日くらい甘えてもいいじゃないか。

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