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□どうぶつ占い
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参考:どうぶつ占い/すこっぷfeat初音ミク


明日の天気だとか、流行りのものも全部あたしが君に教えてあげる―――


そうは思っても彼は何も言い出さない。それに、あたしが上のことを言うのもおかしな話だ。なんせあたし達は恋人でもなんでもない。あるのはあたしの一方的な感情だけ。

彼はクラスで一位、二位を争う人気者。そんな彼を好きなのは平凡なあたし。クラスにはあたしよりもっともっと可愛くて、いい子が沢山いる。
はち切れそうな胸を抑えながら、心配になって占いに頼ることにした。


算命学、占星術、タロット占い。
思い付く限りの占いはやりきったが、どれも相性が最悪、としか出なかった。
そして、最後の藁をもすがるような思いでしたのがどうぶつ占いだった。



『【結果】相性100%』



思わず目を見張った。なぜかどうぶつ占い上では相性抜群のカップルだったのだから。

***

次の日、クラスのいつもの席に彼はいた。珍しいことにどこかをじっと見つめて溜め息をついていた。
でも、あたしには彼に話しかける勇気も、彼が考えていることが分かるてれぱしーもない。ただ見つめることしかできないのだ。どうぶつ占いではコアラ―策略家―なのにおかしい。
因みに彼は黒ヒョウだった。彼はあたしのこと知らないのにあたしは知ってる。なんか不思議な感じ。



教室にある女の子が入ってきた途端、彼の視線が彼女に吸い込まれるのはあたしは見てしまった。
いや、本当のことを言えばこんなこと、知ってたのだ。彼が彼女を好きなこと……

ぎゅっと締め付けられる胸の痛みを必死に抑えようとする。
そもそも、どうぶつ占いを始めたのも趣味なんかじゃない。妄想でもない。


何か願掛けしたかったから。

だって、あの子が占いとか大好きな、いわゆる『女の子』って感じの子だったから。



算命学でも占星術でもタロット占いでも相性最悪なあたし達。

どうぶつ占いに頼らなくったってあたしが君の好みに変わってみせる。
ロマンチックなあの子みたいになってみせるから。



ねえ、こっち向いてよ――

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