SketDance
□スターチス
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※スターチス
花言葉:永遠に変わらない心、変わらない誓い
「道流ーチョコいるか?」
「榛葉!俺の膝の上に来いよ!」
「髪の毛きもちーっ」
道流はファンクラブができるほど女子に人気がある。と同時に、先程の通り、それに劣らず男子にもかなりモテる。まあ簡単に言えばお手本のようなモテ男だ。
女子が告白してくる現場を見る時は少しモヤモヤした気分になるが、なんとか許せる。
男は告白してはこない。しかし、好き勝手に道流で遊んでる(ように俺には見える)。
それがたまらなく俺をイライラさせるのだ。
道流は俺の恋人なのに…
***
「道流!」
昼休み。いつものように男子に囲まれている彼を少しきつめな声で呼ぶ。
「どうしたの?安形」
ほんとになんでこいつは変なところで俺の気持ちを察してくれないんだよ。そういうとこも可愛いんだけどさ。
「ちょっと話したいことがある」
「…?別にいいけど…」
疑いの視線を向ける道流の細い腕を、俺はぎゅっと掴むと、教室の外へ向かう。道流は何も言わずにただ引っ張られている。
あーあー男女問わず、俺への視線が怖い。どうせ嫉妬とかなんだろうな。誰にも付き合ってること言ってないし。
でも、そういう心情を向けられていることに優越感を感じる俺って割りと独占欲が強いのかもな。
***
「話したいことって何…?」
校舎の裏まで来ても何も話さない俺に道流は問うた。
しかし、俺は気持ちが抑えられなくなり、本能に従って彼を抱きしめた。自分の積極さに少し驚く。
「あ…安形あ?」
話しかける道流の声も無視してただ強く強く抱きしめる。
「道流」
ようやく心がほんのちょっと満たされた俺は腕の力を弱めて道流の耳元で囁く。
「他の奴らと何であんなイチャイチャすんだよ?」
「だって…ぅぐっ?!」
たまらず、反論しようとした道流の口を右手で塞ぐ。「ふぐっ、ふんぐ…っ」と懸命に話そうとして顔が赤くなる道流が、更に俺の自制心のブレーキをゆるめる。
「言い訳なんてすんな。お前がどう思おうと、俺にはそう見える」
言葉が次々と口から溢れ出る。
「俺がどんな気持ちで見てると思ってんだよ?いっつもイライライライラして…!俺は…こんなにもお前のこと想い続けてんのに…!!なんで…っ」
俺の暴走は止まらない。
勿論、自分でも止められないほどに。
***
「なあ道流」
やっと落ち着いた俺は、口にのせてあった右手でくいっと道流の顎を少し上にする。そう、
「これだと俺のことしか見れないだろ?俺のこと好きだって言えよ」
「安形…ごめ…俺、安形のこと好きだよ…大好きだよ…」
強引な俺の言葉に今にも涙腺がほどけそうな道流。でもそれだけじゃ俺にはまだ不十分なんだ。だから…
「俺だけを見てくれ」
羞恥の気持ちも微かにあったが、本音を吐露した。
お前の全てを俺のもんにしたいんだ。