青の祓魔師
□寒気がする
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「えーと・・・氷枕、あ、そうでついでにアイスとか持っていこうかなぁ・・・冷たいから食べるかな兄さん・・・」
僕は冷蔵庫やら何やらを色々漁り、兄さんを看病するためのものを一式完璧に用意した。
「風邪薬もあるし、あとはもういいか」
とりあえず、早く戻ろう。
兄さんが心配だし。
僕は来たとき同様、急ぎ足で兄のいる部屋へと向かった。
―カチャ
「兄さんただい・・・」
「雪男っっ!!!」
「!?」
ドアを開けるなり、凄い衝撃が僕に走った。
何かと見ると、そこには僕の身体に抱きついて、ぽろぽろと涙を零している兄さんの姿があった。
「何、どうしたの兄さん!?いきなりびっくりしたよ」
「ふえっ、え、雪、男・・ひっく」
ていうか、まず疑問に思ったことが2つ。
何でいきなり僕に抱きついてきたのか。
それと、もう1つ。
「何で・・・・泣いてるの、兄さん」
泣く理由が見つからない。
僕が出て行く前は、とりあえず普通の顔だった、はず。
少なくとも、泣いてはいなかったはずだ。それなのに、これとは一体、兄の身に何が起きたというのだろうか?
「ねぇ、兄さん、兄さんってば」
しかし、兄さんは僕にすがりついたまま、ただ嗚咽を漏らしてそのほかは何も答えようとしない。
何度も「どうしたの」「どこか痛いの」と聞いてみても、ただ泣くばかりでどうにもならない。
仕方なく、僕は泣いたままの兄さんを抱えると、そっとベッドに戻した。
それと、兄さんが抱きついてきた衝撃で床に転がった医療キットは、まぁこんな状態だから拾うわけにも行かず。
それに、ベッドに寝かせたのはいいものの、兄さんはどうやらそのまま寝てしまったのか、僕のことを掴んで離してくれない。
「・・・・困ったなぁ・・・・」
実を言うと、仕事がまだ少し残っているので、できれば今すぐにでもとりかかりたいのだけど。
この状況では出来るわけがない。
それに、兄さんは最初より固くぎゅっと僕に抱きついているので、離そうにも離せない。
僕は、とりあえず今日は仕事をするのを諦めて、ひとまず兄さんと一緒に眠ることにした。
っていうか、寝るっていう選択肢しかないしね・・・・。
仕事は、明日にでもやればいいか。
そう思った瞬間、急激な睡魔に襲われる。
無理もないか。
ここ数日、任務やらで忙しくて、ロクに睡眠を取れていなかったし。
ある意味ちょうど休める、いい機会なんだろうか。
そんなことを考えながら、僕はスヤスヤと眠る兄さんの子供のような寝顔を見つめつつ、深い眠りについた。