青の祓魔師
□誰よりも君を幸せにすると此処に誓うよ
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「雪男」
そういって、僕に駆け寄ってくる貴方は、とても輝いて見えて。
いつもより、何倍も、何十倍も美しくて。
「へへ・・似合うかな」
「うん・・・とっても綺麗だよ」
「ありがとっ嬉しい」
顔を赤くしながら僕を見上げる貴方を、僕はそっと抱きしめる。「せっかく髪型セットしたのに崩れたらどぉすんだよ」と、困った顔で笑う貴方。
髪が崩れたくらいで、貴方の美しさは代わらないよと微笑むと、さらに貴方の顔は、まるで火が出そうな程に赤くなっていく。
昔から、恥ずかしがりやですぐ顔が赤くなる体質らしく、本人はそれを気にしているようだった。
しかし、僕にとってはそんなところも貴方の好きなところだし、むしろ可愛いと思うから気にしなくていいのに、と真剣にそう思っている。
―コンコン。
「はい」
「もうすぐ、入場のお時間ですが、御支度のほうはもうお済でいらっしゃいますか?」
「ああ、はい、今行きます」
「・・・・・あ、何かチョット緊張してきた」
「はは。いつも通り、普通にしてればいいよ。そんなに硬くならないで」
「そうはいってもさぁ・・・・あああコケたらどうしよ、こんな晴れ舞台で」
「そのときは僕が受け止めてあげるから」
「それもそれで何か・・!」
「ああもう、大丈夫だってば。そんなに気にしないで、僕の隣を歩いていればいいんだから」
「うう〜・・・・・」
「もう、そういうところが可愛いなぁ」
「ああもう、またそういうこという〜」
そんな当たり障りの無い会話をしつつ、僕らは控え室を後にした。
『えー、それでは、新郎新婦の入場です!』
入場を知らせるアナウンスが、よりいっそう緊張感を高める。
控え室を後にした僕らは、会場の入り口の扉の前まで来た。
扉一枚を隔てた向こうには、何が待っているのだろう。