青の祓魔師
□不安定な気持ち
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いつも、俺はどこからくるのかも何でそんなことを思うのかも分からないけど。
いつも、
いつも、ふとした瞬間に、言いようの無い不安に襲われる。
雪男は、真面目だし見た目も悪くない。むしろいいほう。
そんなんだから、女子にほっとかれるわけなくて、いつも女の子たちに囲まれて。
俺だって、あんなに雪男にベタついてりしないのに、恋人でもない奴らが家族の俺を差し置いてあんなに雪男に密着するんだ。
俺のほうが、絶対雪男を好きなのに。
雪男は・・・・どう思ってるのか、分からないけど・・・。
醜い嫉妬。
俺風情が何をいうって、思う。
でも、吐き出さなきゃもっと辛くて。
でも吐き出したら、嫌われそうで、もっと辛くて。
それでも、雪男にぶちまけてしまうこの赤黒い醜い感情は、俺を支配して。
雪男が困ってる姿は目に見えてるのに、なのに、俺は。
ずるい、奴だから。
「兄さん」
俺が、不安を口にするたびに、雪男は俺のことを優しく抱きしめてくれる。
「大丈夫」
っていって頭をなでてくれて
「僕は兄さんが好きだよ」
って囁いてくれて
「だから、そんなに泣きそうな顔しないで」
って笑ってくれて
「僕は兄さんをおいてなんていかないから」
って、背中をさすってくれて
「燐」
って、俺の名前を切なげによんで
ずっと、俺の気が済むまで、傍にいてくれて。
ごめんな、雪男。
俺、思ったよりお前に依存しすぎてるのかもしれないな。
謝っても謝りきれないほど、お前には迷惑をかけてるけど、それでも、それでも。
お前は、絶対に俺を見捨てようともあきれもしなかった。
本当、ごめん。
ありがとう。
また不安になったら、そのときは
もう1回、俺の名前をよんで
もう1回、そんで俺を抱きしめて
でないと、俺
嫉妬で不安で壊れそうだから。
end