青の祓魔師
□君への、プレゼント
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「はぁー・・・・」
何気なく息を吐くと、もうその息が白く変わる。
もう、そんな時期になったのか、と僕は改めて冷たく悴んだ手を擦り合わせて息を吹きかける。
誰に教わったわけでも無いのに、寒くなるとこうしてしまうのは、人間のそういう遺伝子、本能から来るものなんだろうか。
なんて余計なことを考えながら、僕は買い物からの帰り道を歩いていた。
少し浮かれる僕の右手には、奮発して買ったホールケーキ、それと。
左手には、少し可愛らしい紙袋を大事に抱えている。
僕の手から覗く紙袋のデザインの可愛さに、思わず僕の口から笑みがこぼれた。
勿論、この紙袋の中身を送る相手の顔を思い浮かべながら。
今日は、世間一般的にいうところの、クリスマス。
僕らは今まで、誕生日が近いこともあってか、一緒にされてきたイベントなのであまり勝手は知らないのだが、この前、恋愛系に強い志摩くんに聞いたところ、『クリスマスといえば、恋人たちのイベントですやん!愛し合う2人が、聖夜にアレやコレやといちゃつく日なんですよ』とかなんとか言っていた。
その後、勝呂くんは『仮にも聖夜っちゅー日に手前は、センセに変なこと教えるな!』と、思い切り頭を叩かれていたが。
でも、今日買い物をしながら見てきた人々の様子を見ると、あながち志摩くんの言っていることも間違ってはいないと思った。