青の祓魔師
□あの子は誰かの。
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初めて、本気で人を好きになった。
今まで、こんなに本気になったことなんてなかった。
人を愛するって、こういうことなのか。
それを、やっと俺は知った。
でも、それは叶わない、許されない恋だった。
俺が好きになった人には、もう。
恋人がいたのだから。
「ゆっきおー今日こそは一緒に!」
「やだよだって兄さん僕の事完璧に抱き枕にするじゃない」
「えーしねぇよ」
「いつもしてるじゃない。おかげで僕は身体が痛くなるし、もう絶対やんない」
「なんでだよーやだよやだやだ雪男くぅん、冷たいぞ」
「あーあー分かった分かった、もう負けた。僕が負けたからとにかく離れて暑苦しい」
いいなぁ、若先生は。
俺は遠く離れた席から、2人の様子をじっと見ていた。
嫌そうにはしているけれど、結局あの顔からすると、本当は満更でもないはずだ。
本当に嫌なら、もっと抵抗するだろうし。
あーあ、俺、若先生やったらよかったのになぁ。
そしたら、俺。
少しは奥村君に、恋愛対象としてみてもらえたんかなぁ。