青の祓魔師

□あの子は誰かの。
1ページ/2ページ


 初めて、本気で人を好きになった。

 今まで、こんなに本気になったことなんてなかった。
 人を愛するって、こういうことなのか。
 それを、やっと俺は知った。

 でも、それは叶わない、許されない恋だった。






 俺が好きになった人には、もう。


 恋人がいたのだから。









「ゆっきおー今日こそは一緒に!」
「やだよだって兄さん僕の事完璧に抱き枕にするじゃない」
「えーしねぇよ」
「いつもしてるじゃない。おかげで僕は身体が痛くなるし、もう絶対やんない」
「なんでだよーやだよやだやだ雪男くぅん、冷たいぞ」
「あーあー分かった分かった、もう負けた。僕が負けたからとにかく離れて暑苦しい」



 いいなぁ、若先生は。
 俺は遠く離れた席から、2人の様子をじっと見ていた。

 嫌そうにはしているけれど、結局あの顔からすると、本当は満更でもないはずだ。
 本当に嫌なら、もっと抵抗するだろうし。
 あーあ、俺、若先生やったらよかったのになぁ。



 そしたら、俺。



 少しは奥村君に、恋愛対象としてみてもらえたんかなぁ。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ