ニコラシカ

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清々しい空気の晴天の朝、息を切らして猛ダッシュのツナに平行して走る。
山本は部活、獄寺はボムの仕入れで今朝はツナと私の二人きりだったのだけど、毎度のように朝が弱い私とツナじゃ寝坊になってしまった。
ギリギリ間に合うかな、と思いながらラストの直線。
視界に入る校門には黒い学ランを来た中学生には到底見えない数人が構えていて、門を閉めにかかっていた。
並中はブレザーじゃないの?と疑問に思うけど、今は聞かない。

『……ツナ、遅刻したくない?』
「え?うん」
『じゃあ、』

ツナの左手を右手で掴む。
え?と呟くツナをそのままスピードをあげた。

「わっ、ちょ、はや…っ!」

半ば引きずるようにして閉まりかけた校門に滑り込む。
ひと一人分の隙間を私とツナが連なって抜けると、ちょうど予鈴が鳴った。

『せええぇぇふっ!』

膝に手をついて肩で息をするツナが弱々しく頷いた。

『よし、じゃあ行こうか』

よくわからない学ランの集団の目も痛いし。
口には出さず、ツナの手をもう一度とって引くと、つんと何かに反対から掴まれたように彼は動かなかった。というよりはつんのめった。

「え、え…!?」

ツナの背後を覗くと、校門に制服の裾が挟まっていた。

『挟まってる。ちょっと待って――よいしょ』

力を入れて引いたらすぐに抜けた。
よし、行こうと振り返ったところで、この平和な並盛中には似つかわしくない空気を感じた。
ピリリと肌を撫でるそれは、間違いなく攻撃的だ。
発生源を追うと、数メートル先に男が立っているのが見える。
目つきが、そんじょそこらの中学生ではなかった。

「ひ、雲雀さん……」

ツナが怯えを含んで呟いた。






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