ニコラシカ

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* * *





放課後、数年ぶりの我が家に帰宅すると、人口密度が増していた。
ランボ、イーピン、ビアンキ、それからリボーン。
彼らはうちに住んでいるらしい。
リボーンとビアンキについては聞いていたけれど、居候はそれどころではなかったようだ。
母さんは喜々として迎え入れていそうだなぁ。
母さんは、ひとを疑うということをしないから。

『リボーンとビアンキは、久しぶり』
「元気だったか?」
『うん』
「長く会ってなかったけど、大きくなったわね」
『そう?ビアンキはますます美人になったね』

ふっと微笑むビアンキは綺麗だけれど、残念なことにゴーグルを着用している。
獄寺が素顔のビアンキを見ると倒れるらしい。
どういうことなの、この姉弟。

「ママンはちょうど買い物に出ちまったんだ」
「寧々が帰ってくるからってご馳走をつくるらしいわよ」
『本当?母さんの料理久しぶりだから楽しみ』

母さんの料理は本当にめちゃくちゃおいしい。
しかも久しぶりの日本料理。
イタリアでは和食だって食べたけど、やっぱり頻繁には食べられないし。
みそ、醤油、米。
日本バンザイ!
後で父さんに夕食を写メって送り付けてやろう。
絶対羨ましがる。

「なんか和気あいあいしてるけど、寧々はリボーンやビアンキと知り合いなの?」
『うん。約束通り、その辺の話もしちゃおうかな。母さんが帰ってきたら、しにくいし…。その前に、山本と獄寺にも話していいんだよね?』

リボーンに聞くと、こくりと頷いた。

「こいつらはツナのファミリーだからな」
『そう、わかった』

ツナが違うとか喚いているけど、リボーンがそう言うのならそうなるのだろう。

『私は、イタリアに行ってる間、ボンゴレにいたの。私はファミリーの一員だよ』
「えー!?」

驚くツナを、黙って聞けとリボーンが蹴り飛ばした。
リボーンのスパルタ教育方針は健在らしい。

『ま、正式にはチェデフだから、本部とはあんまり関わりがないんだけど』
「チェデフ…?」
『ボンゴレのナンバー2が取り仕切る組織。普段はボンゴレ本部からは独立してるの。ボンゴレは大きいファミリーだからいろいろあるんだよ。チェデフは門外顧問機関だけど、独立暗殺組織のヴァリアーとかもあるし。まぁそれはおいおい知ってけばいいかな。…とにかく、私はボンゴレの人間ってこと。ツナが10代目を継ぐって聞いたから、護衛に来たってわけ。ついでにリボーンと協力してボスとしての心得を教えることになってる。だから私はボンゴレ関係でリボーンとビアンキとはイタリアで会ってるの。獄寺を知ってたのもそのせい』

ポカンとしたツナ。
一気にいろいろ言い過ぎたかもしれない。
多分ショックも相当大きいんだろう。
そりゃそうだよね。
ツナは蒸発した父についていったと思っていたんだし。

ピンポーン、突然響くインターホン。

「ツナ出てこい」
「う、うん…」

頭がぐるぐるしてるのか、フラフラしながらツナは出て行った。
扉が完全に閉まるのを確認して、ふぅと息をつく。
リボーンがにやりと笑った。

「相変わらずみてーだな、寧々」
『まーね。さて、ツナもいなくなったことだし本題にいこうか…獄寺、山本』






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