拝啓、大嫌いな『仲間』たち

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唐突に思い出したが、ジャッカルは「テニスの王子様」のキャラだった。しかも「柳 蓮二」の仲間だ。 ……………いやいやいや待て待て待て待て。そもそも「柳 蓮二」がいた学校は立海ではなかっただろうか。…………学校の選択を誤った。だがまあしかし、もういい。後の祭りである。

「柳?どうした?何かあったか?よかったら相談に乗るけど」

『……いや、いい。ありがとう、気持ちだけもらっておく』

何も知らないジャッカルに転生のことや漫画のキャラに成り代わったことなど言えないしな。

「?そっか。そういえば部活決めたか?」

部活。ああそうか。この学校は生徒全員何かの部活に入らなければならないという規則があったな。面倒な規則だ。

『ふむ…いや、まだ決めていないな。お前は決めたのか?』

「ああ、入学式の日に。まだ仮入部だけどな」

『ほう、何部だ?』

「テニス部」

『…………そうか、マネージャーになってまで女子のスコート姿が見たいのか。立派な変態だな』

「男テニに決まってんだろ!?」

『冗談だ』

ふむ、ジャッカルはからかいがいのある奴だ。実に面白い。

それはさておき、どの部活に入ろうか。テニス部だけはお断りだ。俺はプレーなどしないし、サポートをするのも貞治にだけだ。しかし、では何がいいかと聞かれても困る。どうしようか。

文化系の部活は全部で8つ。囲碁部・将棋部・合唱部・吹奏楽部・美術部・文芸部・新聞部・写真部だ。ちなみに、運動部は元から論外である。

「なあ、よかったらお前もテニス部に――」

『断る』

「即答か!」

良いツッコミだ。芸人を目指せるんじゃないか?
というのはいいとして。

『本をずっと読んでいられて活動もかなり適当な部、というのはないだろうか』

「いやないだろ」

やはりそうか。仕方ない、文化系のものを1つずつ見学してみるか。












『……あったな』

思い描いていた通りではあったが、本当にいいのだろうか。教師たちから咎められたりはしないのだろうか。

何よりも大丈夫なのだろうか、この部は。

「あり、新入生?かわいーねー君。身長いくつ?私の見立てでは152.3cmってとこかね。いーねー150cm台って。やっべネタ浮かんできた、パソパソっと。あー、そこ適当に座ってー。えーと、“身長153cmの先輩と176cmの後輩”っと…くう、いいね先輩後輩!これどうしよっかー。やっぱ王道で後輩が先輩を下克上的な?それともむしろちっちゃい先輩が後輩を≪ピ―――――――――――≫しちゃう?ねー、君どっちがいいと思うー?」

『どっちでもいいと思います』

とりあえず放送禁止用語を連発するのはやめてもらおう。



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