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□はち
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 はい、翌日です。何でいきなり時間が飛んだとか聞いちゃいけません。
 そして例によって例の如くボクの朝食はありません。ウィ●ーインゼリーあるからいいですけど。10秒チャージのあれです。

「・・・・・・零崎か」
『あ、おはよーございます、阿部先輩』
「跡部だと何回言えばわかる・・・・!」

 なんか怒っているみたいですけどみたいですけどスル―です。元々ボクが人の名前を――特に好きではない人の名前をまともに覚えられるわけがありませんし。
 さて、お手伝いとして連行されてきましたけど、何をすればいいんでしょう。やっぱりドリンクとかですかねえ。あとタオル。

「零崎クン、やな?」
『はい?』

 背後から声をかけられて振り返った瞬間――回し蹴りされました。背中にジャストミートです。
 あまり広くない通路でやられたたので、そのまま壁に激突。地味に痛いです。あーあ、服にシワができちゃいました。

『これ借り物なんですけどねえ(若の)。はあ・・・・で、どちら様ですか?』

 後で若に怒られるかもしれないことにびくつきながら顔を上げると、腕に包帯を巻いた爽やか少年がいました。でもボクより絶対身長高いです。てゆーか、イマドキの中学生って発育良すぎません?ボクは片割れほど低くはありませんけど、それでも165cmぐらいです。なのに他の人はにょきにょきと伸びてて・・・いえ違いますよ。うらやましくなんかありませんから。

「名前覚えてもらってないなんて悲しいなあ。白石蔵ノ介や。よろしゅう」
『よろしくお願いします、白川さん』

 今度は髪の毛を掴まれて頭を壁にぶつけられました。あ、血が出た。

「人の名前くらいちゃんと覚えような?」
『・・・・そうですね。善処します』

 まあどうせ無理ですけど、と言ったらかかと落としされました。痛いです。



 白・・・白何とかさんにぼっこぼこにされたあと血を落とすために若の部屋に行くと、思いっきり頭を叩かれました。愛も何もこもっていない、容赦のない一撃でした。

「お前には目も耳も脳もないのか」
『それぐらいはちゃんとありますよ。なかったら生きていけませんし』
「ああ、お前の場合はあっても正常に作動していないのか、そーかそーか」
『ごめんなさい、油断していたボクが悪かったです』

 14歳に責められなじられる19歳。自分で言ってて悲しくなりました。それと頭をぐりぐりするのをやめてほしいです。
 完璧言い訳ですけど、本当にさっきのは油断していました、マジで。マネージャー(?)の仕事に気を取られていたからですよ、まったく。

「ほら、血は落ちたから早く行け。一緒に行くのはマズい」
『はーい。・・・あ、若』
「今度は何だ」
『 彼 、に伝言をお願いします。――手を出さず、黙って見てろってね』

 そう言い残して若の部屋を出ると、光くんと謙也さんがいました。出てくるのを待っていてくれたのでしょうか。でしたら嬉しいですね。

「おはようさん、 零崎 」
『おはようございます、「財前」くん。「忍足」さんも』
 
 ボクも彼らも互いに名字呼び。もっとも、二人とも嫌そうですけど。



「――――はあ!?明日から自分と無関係を装えやと!?」
「なあ嘘やんな、アッキー。冗談キツいわー・・・」
『嘘なわけないでしょう。頭を使ってください。ボクが2人と仲良くしているところをナルちゃんさんや丸眼鏡さんたちに見られたらどうなるか・・・・』
「確実に朱識はフルボッコ。2人もとばっちりでフルボッコ」
『です。ボクは2人に傷ついてほしくないですし、何より面倒な事態になることは避けたいのでお願いします』
「えええ〜・・・」
「・・・・・・わかったけど、アッキーがやばくなったときは何言われようが勝手にするからな」




 などというやり取りを経てこうなったわけですね。こうすれば2人も安全ですし、ボクも安心です。

『深入りしちゃ駄目なんですけどねー・・・。まあここらで距離を取っていればいーか』

 ボクが氷帝に(無理矢理)編入して(※させられて)早一ヶ月。合宿中ですし、そろそろですかね。


『  人間試験もどきでも、始めましょうか  』


 まあ、ボクは双兄と違って採点は甘いほうですから、大丈夫でしょう。
 さてさて、合格できるのは何人になるでしょうかね。
 対象者は若を含めた氷帝・青学・立海・四天宝寺の計32人。
 やるからには、とことんまで、です。

        ≪人間試験もどき、開始≫



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