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□暗転、決壊
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痛い 痛い 痛い


何が痛いかというと、そんなもん知るか。どこが痛いとかではなくてとにかく全身が痛い。マジで痛い。あー痛い

手足をぐるぐる巻きにされた上に猿轡を噛まされている俺、竹谷八左ヱ門は現在絶対絶命の状況に置かれていた。どれだけヤバいかというと、今すぐ殺されてもおかしくないくらいのヤバさだ。俺ピーンチ。縄抜け?できないように縛られてんのっ!

そもそも何でこうなったかというと、それは今回の任務があれだったからなあ……。











忍術学園を卒業した俺はとりあえず城勤めをしていた。力がついたらフリーになろうかなーと俺は思っていたので。フリーってカッコいいよな。

で、まあ城勤めをすることに別に文句はなかった。給料もそこそこ良いし、同僚とも上手くやってたから。うん、同僚「とは」ね。

なーんかな。俺ってば上司に嫌われてたっぽいんだよな。理由は大体予想できてるけど。あれだろ、俺が生意気だとかそんな感じだろ。

「竹谷なんか嫌ーい。意地悪な忍務押し付けちゃえー」っていうノリ(たぶん)であの上司は俺にこの暗殺忍務をくれちゃったんだな。腹立つうー。

暗殺って言ってもあれだぜ?「殿様ー覚悟ー!」「ぎゃー!」なんていう単純なものじゃないぞ。ものすごくおっかなくて強い敵がいたり、ヤバい罠とかもあるんだぞ。そういうのを全部くぐり抜けてやるんだぞ。ペーペーの新人じゃ一人では無理ですって。

でも健気な俺は頑張って一人で来たんだぜ?超偉くね?ほめてほめてー。

え、うん。来れたけど、俺捕まっちゃいましたー。てへ。








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