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□君はいないフィールドはとても寂しくファインダーが凍りついたようだ。
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トサッよりも。ドサッというほうがいいだろうか?
ファインダー越しに人が倒れた
「し、んど…?」
霧野くんが虚ろにシンさまの名前を呼ぶ。あれ。なんで。え。どうして。
しんさまがたおれてるの?
周りを見渡すと葵ちゃんは口を塞いで。
水鳥ちゃんは目を見開いて。
音無先生は中腰。
監督は絶句。
「き、救急車っ…!」
誰よりもいち早くに反応したのは音無先生だった。
震える手を押さえながら救急車を呼ぶ手続きをしている。
はっとしたのか水鳥ちゃんは私の目をタオルで隠した。
「茜は見るな。いいな?絶対だ!」
「わ、私。平気だよ?」
「ダメだっ!これは。本当にっ…!」
水鳥ちゃん。泣いてるのかな?
救急車がスタジアムに来ている頃にはもう雷門しか残っていなかった。
「救急車には山菜さん。あなたがのって。いい?神童くんが反応したら、すぐに喋るのよ。いい?」
必要最低限のことを言い放ち、よたよたした足取りで先生は皆の元へ歩み寄った。
皆のいるところを見てみるがマネージャーは誰一人としていない。
じぃっと目を凝らすと
後ろに水鳥ちゃんと葵ちゃんがいた。
すすり泣く音が聞こえた。
葵ちゃん…
水鳥ちゃんも…
二人の側には天馬くんと霧野くんがいた。
言葉少なく慰めてるんだろう