全力疾走

□想イ+微笑=変化シタ日常
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「ブン太くんおはようございます!今日も格好いいですね!」

「うるせえよ」

「またまたあ。そんなクールなブン太くんも私は大歓迎ですよ!」





悔しいことに、 俺はこいつが好きみたいだ。


騒がしくて、俺がどんなに冷たくあしらってもめげねえで。

前はその騒がしさが鬱陶しかったけど、今じゃ逆にそれがねえと何か調子がでねえ。





「クソ、何かムカつく」

「何がですか?」





当たり前のようにいつの間にか俺の隣にいる名無し。





「お前のせいだぞ」

「私?」





キョトンと首を傾げる姿にすら胸が高鳴るなんて本当に重症だ。





「よく分からないですけど、私のせいってことはブン太くんは今私のことを考えてくれていたということですよね!」

「なにこのポジティブな考え」

「はっ、私のことを考えてくれているということは…まさか私のこと好きに?」

「ばーか、んなわけねえだろ」

「むー。でも、私は諦めませんよ!」





声を張り上げて宣言する名無しにクラスの奴らが頑張れよ、だのあと一押しだ、だの声をかけやがる。

誰だあと一押しなんて言った奴は。



脱力しながら名無しを見れば、こいつは俺の視線に気付き笑った。その笑顔に毒気を抜かれて、気付けば俺も笑い返していた。





「ブン太くんが私に笑いかけてくれた!!これは夢ですか!?」

「あー!もううるせえよお前!」





普段の名無し見てると何で好きになったのか分からなくなる。でも確かに、俺はコイツに惚れてんだ。



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