投稿小説

皆さんも小説を書いてみませんか?

自分用のスレッドを作ってそれにレスしていく形で書いていきましょう♪

書いている方への感想コメントなどは雑談掲示板へお願いします

[レス書込]
前へ 1 2 3 次へ 

03/03(Sun) 12:00
紺夜煉

 小2の頃、近所に来た凄い可愛い女の子に一目惚れをした。
初恋だったと思う。
その子は少し変わっていて、遊ぶ時のおやつは必ずと言っていい程稲荷(いなり)寿司(ずし)ばかりだった。
 ところがある時、女の子はキツネの姿で遊びに来た。
「私ね、本当はキツネなの。
人間に化ける練習をしていたんだ」
「え?!!!何で?!何でもっと早くいってくれなかったの?」
女の子は少し悲しそうな顔をしていたが、
俺にとって人間じゃないということを後から知ったことの方がものすごいショックだった。
俺は絶望感に打ちひしがれて恥ずかしくなってその子を置いてその場から逃げだした記憶がある。

[削除]

03/03(Sun) 12:01
紺夜煉

そんなショックな経験があったためか、俺はそれ以来キツネが苦手である。
「千里の言いたい事は分かるんだけどさ。
ってか、大体、何でキツネが『春』を売ってんだよ。」
 ぶつぶつ呟いたが、質問をぶつけられる友人は見当たらなかった。
俺は小さく舌打ちをして、お弁当を持って教室から出た。

[削除]

05/26(Sun) 16:28
紺夜 煉

 お昼はどこも『春をお売りいたします』キツネの話で持ちきりだった。何でも、『春』を買えば良いことばかり起こるらしい。
噂好きの俺のクラスメイト達は『春』を買った後どうするかでくだらない妄想話を屋上で繰り広げていた。
そこには先程俺から逃げ出した千里もそこにいた。俺は目を吊り上げて近寄った。

[削除]

05/26(Sun) 16:31
紺夜レン


「せんっ――」
「だぁから。『春』だし?絶対、女の子にモッテモテになんに決まってるじゃん。」
「泉はさぁ、いっつもそうだよな。そんなんばっかり。お前早く彼女作れよ。」
「なんだよ、うるせえな。じゃぁ、神谷は考えないのかよ!」
「駄目だよ、神谷は。可愛い彼女、この前出来たばっかりだし。」
「うぉぉ、神谷の裏切りもん―。いいよ、いいよ。どうせ俺はロンリーさ。亮もロンリーだろ、仲間だろ、なぁ?」
「…は…?」

 泉が、千里に詰め寄ろうとしていた俺に突然話を振ってきた。
「なぁ。」なんて言われても千里怒りをぶつけようとして話をあまり聞いてなかった俺には何の事だか分からない。
とりあえず曖昧に頷いておいた。するとそれを見ていた千里がニヤリと笑った。嫌な予感がする。
「亮はさ、初恋がきつ―」
「はい、ちょっと待った―。」

 嫌な予感的中。
俺が慌てて口を塞いだ向こうで千里は、もごもごと「初恋がキツネだったから恋なんて怖くてもう出来ないんだよねー。」とか言っていた。
幾ら仲いい友達と言えど、言って良い事と悪い事の限度ってものがある。俺は思いっきり千里の足を蹴り上げると咳払いをしてごまかした。

「何の事かよくわからないけど。確かに俺は今は恋してない。」
「おお、やっぱり俺を分かってくれるのは亮だけだ。りょう――――!」
「うわっ!離れろ、泉!寄るな、ひっつくなきもい!」
 俺が泉に抱きつかれた事を良い事に、俺の手から逃げ出した千里はぼそっと呟いた。
「可愛い話なのにっ――― !」
 後で絶対に許さねえと思いつつ、千里の足を踏みつけて黙らせた。千里は涙目で睨んできたけど、俺は何事もなかったように千里から顔をそむけた。

[削除]

05/26(Sun) 16:34
紺夜 レン

 お昼休み中、中途半端に終了したキツネの話が午後の授業中も頭の片隅から離れなかった。
授業なんかそっちのけでキツネのことを考えつつ窓の外を眺め、ぼんやりしていたら背中をつつかれた。

「あのぅ、ちょっとお尋ねしたいんですけど。人間が言う『春』って怪しいものなんですか?」
「うん?物によるけど。ってか、何でそんな事聞くんだよ、千里、いぃっ?!」

 俺の背中をつついたのが千里だと思い、振り返った。すると、小さな白キツネが千里の机の上にちょこんと座っておびえた顔で俺を見上げた。
千里はと言うと、どこ吹く風で俺を見てニヤニヤとしている。

[削除]

前へ 1 2 3 次へ 

[戻る]
[レス書込]
[TOPへ]



©フォレストページ