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03/03(Sun) 11:50
新春お売りいたします
紺夜 煉

不思議な学校、不思議な動物…
学校の七不思議のかわいいお話

相変わらず、ギャグとシリアスがごちゃまぜですが
精一杯かわいく書きました←

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03/03(Sun) 11:52
紺夜 煉


 噂は誠しとやかに流れる。

「桜が一番綺麗な満月の夜に子狐が屋台を引いて『春』を売りに来るらしい。」そしてその『春』を買った者は来年まで幸せでいられるそうだ。

*******

「大体さ、何でキツネなわけ?タヌキにしようぜ、タヌキ。タヌキの方が可愛いじゃん。」
 噂は中等部の俺らの方まで流れてきた。
噂の出所は俺が通っているこの小中高一貫校の初等部から。
この学校は建てられた年月も古く、記念物として指定されているためか妙な噂が後を立たない。俺が知っているだけでも軽く二十ぐらいある。
それも一般の学校の怪談とは一味も二味も異なる噂ばかりだ。
「笛吹き男が初代校長先生を百年務めた。」だの、「夜の音楽室で生ブレーメンの音楽隊のライブがあった。」だの、「かぐや姫が実は音楽の教師をしている」だのどれも現実離れした話ばかりである。
厄介な事にどの噂も嘘ばかりとは言い難い。何故ならこの学校に入学する者は人間ならざるものに敏感な感性の持ち主ばかりなのだから。

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03/03(Sun) 11:54
紺夜 煉

「あぁあ、お前があんな噂言わなきゃ俺は平穏だったのにぃ。」
「それが?
実際、俺の弟が見たんだから仕方ないだろ。
しかも、『春』を買った張本人だし?」
「分かってるよ。だから嫌なんだよー。
キツネだし。」

 俺は目の前で飄々(ひょうひょう)と本を読んでいる友人の千里(せんり)を恨めしげに見上げた。
しかし、千里は俺をちらりと見ただけで長い前髪を書き上げ、再び本に目を戻してしまった。
 千里の家系は昔から幽霊とか人ならぬものが視える家系である。
その中で一番力の強い千里の弟が実体験をしたのだ。

見間違えるはずがない。

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03/03(Sun) 11:57
紺夜 煉

「ほら、いい加減さ、亮も諦めなよ。
大体、亮がこの学年で一番そういうのに敏感じゃないか。
視れるし、触れるし、聴こえるし。」
『だから嫌なんだよ!!!!』
 叫びたい言葉をぐっと飲み込んで睨み付けると、千里は「ふ」と笑って俺の肩に手をおいた。
「いい経験、いい経験。」
「どこが、だ!!全然よくないし!!視たくないし、触りたく無い!!」
 千里は宥める(なだ)様に俺の頭をぽんぽんと叩くと、ひらひらと手を振って教室から出て行ってしまった。
俺はその戸口に向かって思いっきり舌を突き出し、
『本っっ当に嫌な奴。』
と心の中で毒づいた。
その瞬間、行った筈の千里がひょいと顔を覗かせた。
「くれぐれもキツネ君に喧嘩売らないようにね。悪い奴じゃなさそうだし。
いくら君の初恋がキツネだからって一緒にしちゃ可哀想だよ。」
 それだけ言うと千里は弁当を持って、お昼休みなのを良い事に逃げるように教室から退散してしまった。
俺は行き場のない怒りを千里の椅子にぶつけた。

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03/03(Sun) 11:59
紺夜煉

 確かに千里の言う事はもっともだと思う。
そもそも、小さい頃から普通に人ならざるものが視えたり、ラップ音が聴こえたりしていた。
そのため実際に見えたり聞こえたりしているものとの区別がつかなかった。
 だからかもしれない。
キツネが人に化ける所を何度か目の当たりにして来たし、何の違和感も抱かなかった。

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