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05/22(Tue) 19:36
節制ちゃん

「CMが超!面白くってさー…。猫耳ついた巫女さんが舞いの練習してるんだけど、疲れて踊れないみたいになる訳よ。んで、さっき言ったジュースを飲んだ瞬間光り輝いてものスゲー舞いで神社吹き飛ばすの!で、何もなくなった境内で巫女さんが『やっちゃった、てへぺろ』みないな笑顔で『元気爆発!』と決めて、商品名がテレビ一面にドーン!って感じ。それ見たらさぁ!もう是非飲んでみたくて…」

今の話を聞く限りでは、全然飲みたくならない。
やはりコイツは頭がオカシイんじゃなかろうか…。
その思いを伝えようと声を出そうと思ったら、そのタイミングで皐月さんが戻ってきた。
当然、俺の思いは言葉に成らず喉から下がる。

「お待たせ致しました、お飲み物です」

微笑みながら慣れた手つきで俺達の前に飲み物を置く。
俺には紅茶、ヨッシーには…。

「おぉー!?コレはスーパーウル」

以下割愛。
ヨッシーが目当ての飲み物が出てきた事に驚き叫び、感動して叫び…とにかく叫びまくっていた。
うるさいったらありゃしない。
そんな彼に呆れた眼差しを向けてから皐月さんに話しかける。

「よくありましたね…てゆうか、よく知ってましたね…。買ってきたんですか?…アレ」

すると、いつもの無表情で特に気にした様子もなく返してきた。

「いえ、あちらのドリンクはストックしておりますので…」
「…何故に?」
「昨日、CMをご覧になった黄金様が『さっちゃん、アレ飲んでみたい!元気爆発!』と興奮した様子で申されたので…試しに一本だけ飲まれたところ…」
「気に入った、と」
「その通りです…で、メーカーに直接掛け合いまして大量購入を」

成る程…、アホは一人だけじゃなかったという訳だ。
もしかしたら、俺がオカシイという線も捨てきれない…なので、確認の為皐月さんへ問う。

「皐月さんはCMを見ました?」
「えぇ、丁度黄金様が昼食の時に先程の出来事がありましたので」
「…どうでした?」
「………コメントを、控えさせていただきます」

チラリ、と美味そうに例のドリンクを飲むヨッシーを見てそう言った。
よかった…俺だけじゃなかったみたいで。



それからしばらく談笑していると、ドタバタという音に続いて応接室の扉が乱暴に開かれた。

「たっだいまー!」
「し…死ぬかと思ったわい…」

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05/22(Tue) 19:38
節制ちゃん

案内していた黄金、されていた蓮香が戻ってきたのだ。
片や光り輝いて見えるほど爽やかに笑い、もう片やはと言うと…この世の終わりを見たように暗くぐったりとしている。
そんな蓮香を軽々と片手で放り投げ、綺麗に俺の隣へと落とした黄金は、満足げに俺の向かいにあるソファーに腰かけた。

「ふぃー、あちー…さっちゃーん!アレ持ってきてー!」

黄金にそう言われると、皐月さんは再び部屋から出ていく。
彼女が扉を静かに閉めたのを見届けてから黄金に話しかけた。

「…どこまで案内したんだ?」
「…ん、とりあえず一通り」
「一通り、ね」

そう返して、ぐったりと俺の肩にもたれ掛かる蓮香を見る。
…納得のぐったり具合だな。
こんな馬鹿デカイ邸の内部をあんな速度で案内されるって事は、ジェットコースター何周分に相当することか…。
そんな彼女の頭を優しく撫でてやる…と、何故か反対側の肩にも荷重が………。

「…何してんの?」
「…え?」

俺は、何食わぬ顔でもたれ掛かるヨッシーに問う。
すると彼は、さも当然といった様子で答えた。

「いや、れったんだけズルいなと思って」
「…は?何言ってんのお前、キモいよ?」
「まぁまぁ、いいからいいから。早く撫でろよ八尾っち」
「バカかお前ー!?」

と、言おうと思ったことを代弁してくれたのは黄金。
ヨッシーを俺から引き剥がして投げ飛ばす。
それが壁に叩きつけられたのを確認すると、少し恥ずかしそうにモジモジしながらも俺の隣を陣取ってもたれ掛かる。

「ゆーくんの肩は、黄金ちゃんが許した人しか使っちゃダメなモノなの」
「…おいっ、俺の意思は無しか?」

そう言いつつも、俺は黄金の頭も優しく撫でる。
目を細めて嬉しそうに言葉を返してくる黄金。

「うにぃ…無いよぉー…?」
「左様で」

呆れて笑い返すと、黄金は嬉しそうに歯を見せて笑う。
うーん、こういう状況を『両手に花』と言うのだろうか…。
小さくて可愛い女の子二人を両脇に抱えて撫でる………ん?
構図的に犯罪ちっくな臭いが………。
そんなことを考えていると…。

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05/22(Tue) 19:39
節制ちゃん

「………じぃー」

という視線を感じた、ご丁寧に擬音付きの。
なのでそちらへ顔を向けると、扉を少し開けた隙間から覗いている皐月さんの姿が見えた。
俺が気がついたのを確認すると、ワザとらしくハッとした顔をして扉を閉めて、再度扉を開けて何食わぬ顔で入室する皐月さん。
その手には先程同様、飲み物を乗せたトレイを持っている。
そんな彼女は、俺の顔を見てこう言った。

「家政婦が、主の犯罪を目撃した時の気分を味わえました」

それだけ言うと、彼女はニヤリと笑って黄金と蓮香の前に飲み物を置いた。
皐月さん…テレビっ子なんだな…多分。

「くしし、やっぱ運動した後はコレだよね!スーパー」

本日二度目の以下割愛。
黄金は、それを氷の入ったグラスに移して一気に傾ける。

「ぷはぁ!美味い!ほら、蓮香も飲みなよ、元気爆発だよ?」
「…う…?…うむ…」

すっかり弱っている蓮香は、促されるままにグラスへと口をつける。
因みに、ドリンクをグラスへ移し変えたのは他ならぬ俺。

「!?」

すると、カッ!と目を見開いたかと思ったら、残りも全部一気に飲み干して立ち上がり一言。

「元気、爆発!」

それを見た黄金や、復活したヨッシーが声を大にして盛り上がっていたが…きっと俺は、引きつった笑顔を浮かべていたことだろう…。



その後、俺達は日が落ちるまで色々な事をして時間を過ごした。

皆で、いつもの様に談笑したり…。

映画館のようなスクリーンでゲームやったり…。

体育館のような広い場所でバドミントンやったり…。

そりゃあもう、時間が許す限り色々。
そんな俺達も流石に遊び疲れて腹が減った頃、それを見計らったように用意された夕食で腹を満たすと…気付けばすっかり日も落ちて、花火をやるにはうってつけの闇が外に広がっていた。

「おー、今日は星が綺麗だなっ!」
「ホントだ!」

裏庭で花火をやることになった俺達を迎えてくれた星達。
真っ黒な空一面で、キラキラと宝石のように輝いている。
こんな中で花火をやるのはとても贅沢な気がするのは俺だけだろうか…。
最初に気がついたヨッシーや黄金は、せっせと準備に取り掛かっている所を見ると…そうは思っていないのだろう。
俺は少しだけ苦笑し、準備を手伝おうと上げていた顔を下ろして二人の元へ…と、思ったのだが。

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05/22(Tue) 19:41
節制ちゃん

それより先に、俺の隣で未だに空を見上げる蓮香に声をかけた。

「蓮香」
「星達よ………ワシには………贅沢なのかのぉ………?」

物憂げな表情でそんなことを呟く。
もしかしたら、俺と同じことを考えているのかもしれない。
こちらに気づいていない彼女に対しもう一度、少し大きめに呼び掛ける。

「れーんかっ!」
「!?…あぁ、縁か。すまぬ、こんな星空の下で花火をするのは贅沢に思えてな…つい、物思いに耽ってしもうたわい…」

にこりと微笑む蓮香は、星明かりに照らされたせいか…どこか儚げで、とても綺麗で…思わずドキリとしてしまう。
俺はそんな思いを誤魔化すように、視線を逸らして言葉を発した。

「準備を手伝おう」
「…そうじゃな」

俺は、そっと蓮香の手を引いて二人の元へ向かう。
すると、もう準備を終えてしまっていたらしく…二人から冷やかしの言葉を貰うハメに。

「二人がイチャついている間に終わっちまったぜ!」
「蓮香ー!ズルいぞー!…後で黄金ちゃんにもゆーくん貸してね?くしし!」

その言葉達に俺と蓮香は苦笑混じりに返して、全員が揃った所で花火大会は開始された。

「おっし!先ずは景気付けに一発、この打ち上げ花びっ!?」
「ヨッシー、バカじゃないの!?最初にやるもんじゃないでしょ、それは!」

と、ヨッシーが黄金に蹴られたので最初は手持ち花火から。
各々派手なしましまの銀紙が巻かれた手持ち花火に、地面に立てたローソクで火をつける。
一息おいて、綺麗な火花が先から吹き出た。

「「「「おー」」」」

皆、一斉に声を上げる。
少し離れて控えていた皐月さんがクスリと笑ったが、俺達は吹き出る火花にただただ見とれていた。
そんな手持ち花火の寿命は案外短く、あっという間に消えてしまう。

「ささっ!どんどんやろう!」

終わりとほぼ同時に黄金はそう言うと、四本纏めて手に取り火をつけ始めた。
それに負けじと、ヨッシーも手持ち花火を纏めて取っている。

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05/22(Tue) 19:43
節制ちゃん

黄金の花火に火がつくと、纏めただけあって先程のより太くて激しい火花が出来上がった。

「くしししっ!四連砲だー!皆見ろ!そして称えろー!」
「ふふふ…甘いぜ信号っ!」
「なにぃ!?」

得意気な顔で四連砲を振り回す黄金に声がかかる。
勿論、先程手持ち花火を纏めていたヨッシーだ。
彼は、これ見よがしに自らの手持ち花火を胸の前に持ち、ライターで火をつける。

「これがぁ!俺の十連ほ…うぁたぁ!?」

先端を顔に向けて持つとこういう事になります。
良い子は絶対にマネしないようにしましょう、っと。

「十連砲だぁ!」

ちょっと格好良い声優ボイスで宣うヨッシーだったが、先程の失敗の後ではただのギャグでしかない。
黄金は大爆笑、俺は自らの花火に見とれている振り、蓮香に至っては素で気がついていない、そして…。

「…ぷっ、くく…なんで北斗…くくっ、くっ…」

必死で笑いを堪えて、プルプルと震えている皐月さん。
彼女が一番の被害者か。
珍しく恥ずかしそうにしたヨッシーは、赤面を誤魔化すように再度手持ち花火を取って火をつける。
今回は二本。
閃光が迸るそれを、未だに笑う黄金に向ける。

「くらえ信号っ!」
「ぬわっちぃ!?…テメェ!やったなぁー!?」

宣戦布告を受けた黄金は、火花から逃れつつ自らの武器―花火―を確保。
そして、苦戦しながらもライターを使ってそれに火をつけた。

「喰らえヨッシー!そして死ね!『ハイパーヴォルケイノ』!」

ハイパーヴォルケイノ―某玩具メーカーが販売している、対人決戦用銃器型花火兵器。その火力は設置型花火四、五個分に匹敵する。その為、対象年齢が18歳以上という恐るべき花火である―の銃口に向け………。

「ちょ、テメェ!?何でそれがここに」
「ファイヤー!!!」

掛け声と共に噴射する極太の火柱が対象に襲いかかる。
対象とは、勿論ヨッシーだ。

「ぎゃああ!?やめ、やめろー!?服が焦げる!?」
「にゃはははははっ!泣け!叫べ!そして死ねー!」

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