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05/22(Tue) 19:27
節制ちゃん

「そりゃお前、大親友だろ。つーか、八尾っちだって途中からノリノリだったじゃないか」
「…まぁな」

そう、ヨッシーの言う通り…恥ずかしながら俺も悪ノリしてしまったのである。
実際、18本中12本は俺が買ったのだ。
全くもって馬鹿なことをしてしまった。

「ほら、八尾っちも飲めよ。一人じゃ飲み切れん」
「おう」

とか言いつつ、この短時間で5本を飲み干し6本目に手をつけているヨッシーから1本を受け取る。
黒い缶が特徴的な無糖のやつだ。
俺は、黄金の楽しそうな笑顔と、皐月さんの呆れたような優しげな微笑み…そんな笑顔に囲まれながら、開けた缶コーヒーを傾ける。
そこで俺は、ようやく一つ顔が足りない事に気がついた。

「…蓮香は?」

その言葉に、一同は周囲を確認する。
どうやら、誰も居なくなった事に気がつかなかったようだ。

「そういや、見えねぇな…」
「おかしいですね、いつの間に居なくなったのでしょうか…」
「…トイレ…かな?」

皆の不安そうな顔を見て、俺の中の不安、飲み込んでいた不安がまたしても上がってきた。



『蓮香が、消えてしまうんじゃないか』



俺は缶コーヒーを一気に傾け、その不安な思いと共に黒い液体を胃に流し込む。
悪いイメージを消化して、俺は立ち上がる。

「蓮香を探してくる、皆はここで待ってて…」
「おーい、縁やーい」

そんな時だ、背後から探し人の声が聴こえてきたのは…。
振り返ると、俺達の不安を振り払う様ににっこりと笑って手を振りながら近づいてくる蓮香がいた。
それを見た俺は、向き直り三人へ苦笑いをしてみせる。
三人は、ホッとしたような表情で、各々独特な笑顔を浮かべたのだった。

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05/22(Tue) 19:29
節制ちゃん

こちらに辿り着いた蓮香に話を聞いた所。
何でも、俺とヨッシーがアホみたいに缶コーヒーを購入している時に店員が通りがかったのを見て、花火の場所を尋ねる為に追いかけたとか。
そして、花火の場所を確認してからそれを伝えに戻ってきて…今に至るという訳だ。

「蓮香ー…心配したんだぞー…?」
「いやー、すまぬ。声をかけてから行くべきじゃったな」

そんな訳で、俺達は蓮香の案内で花火コーナーに向かっていた。

「しかしれったん、お手柄だったな!」
「いやはや、それほどでもないわい…えへへ」
「店員に頼るのは…正直盲点でした…」
「へへーん、黄金ちゃんは最初から気がついてたんだけど、あえてしなかったもんねー」
「「「ダウト」」」
「何故バレた!?」

と、会話もそこそこに辿り着いたのは…我らが求めた宝の山。
人、それを、花火コーナーと呼ぶ。

「さ、ついたぞよ!ここじゃ!」
「「うぉぉぉぉ!!?」」

辿り着くなり叫んだヨッシーと黄金は、並べられた沢山の花火に我先にと飛び付いた。
そんな光景に苦笑しつつ、俺も花火を選ぶことに。

「結構種類あるのな、花火」

そう呟いて、花火コーナーを観察。
セット売りの花火は勿論、打ち上げ花火、手持ち花火、投げ花火…大小様々な花火が目に入る。
そんな宝の山を前にして…。

「うぉー!あったぜ!夢と友情の打ち上げ百連発!」
「本当にあったのかよそれ!?てか、手持ち花火買おうよ」
「そうだなぁ…っとと、忘れる所だった…へび花火、と」
「へぇ、これがへび花火…ただの黒い塊なんだ…もっとこう、すごいのイメージしてたよ」
「ん?やっぱり知らなかったのか?」

なんて、はしゃいでいる奴等を後目に俺は探す。
俺が認める真の花火を…!
さて、何処にあるかなー…アレ。
視力をフルに使い、目的の物を探すこと数十秒。

「「あった!………ん?」」

物に飛び付くと、そこには俺以外の手も伸びている。
その手を辿って顔を見ると、その手の主と目が合った。

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05/22(Tue) 19:31
節制ちゃん

「…蓮香もコレ探してたの?」
「あ、あぁ…好きなんじゃよ、コレ。まさか縁もかえ?」
「…うん」

そう、手の主は蓮香である。
まさか被るとは思わなかった。
それは彼女も同じだったようで、驚いた顔をしている。
そんな俺達を見て、待機していた皐月さんがくすくすと笑って声をあげる。

「お二人とも、仲がよろしいのですね」
「「いやぁ…それほどでも…」」

俺達は再び顔を見合わせて笑い、二人で一つの花火を購入する事に決めた。
そうこうしていたら、ヨッシーと黄金の二人も買う花火を決めたようで…大量の花火を抱えていた。
勿論、そんなに沢山出来る訳もないので…皐月さんに検閲されたのは言うまでもない。

「畜生ー…俺の夢と友情の打ち上げ百連発ー…」
「アレはダメだろ、値段的にも。一つ五万って何だよアレ」
「うにー…なら黄金ちゃんの『ハイパーヴォルケイノ』は何でダメなんだよー?高くないじゃん」
「あのなぁ、黄金は人に向けて打つからダメなの。アレの火力は冗談抜きで危ない」
「良いじゃーん…ケチー…ヨッシーにしか向けないもーん…」
「…なんだ、それを早く言えよ。買いに戻るぞ」
「おい、八尾っち!本気で買いに戻ろうとするな!?」

花火を買い終えた俺達は、大量の花火を抱えながら車へと戻る最中である。
冗談混じりの会話もそこそこに車へと辿り着いたので、荷物を積み乗車した。
全員が居る事を確認すると、皐月さんは車を走らせる。
目的地は黄金の家…馬鹿デカイ豪邸だ。
道中の話題は、必然的にその事となる。

「そういや、あの馬鹿デカイ邸に行くのも久し振りだな」
「そりゃそうだ。コイツが居なかったから…なっ!」

そう言って、ヨッシーが隣に座る黄金の頭をグシャグシャと乱暴に撫で回す。
それを受けた黄金は、嫌そうに叫び声を上げた。

「うぎゃー!?やめろー!髪がぐしゃぐしゃになるー!?」
「ぐっへっへっ!グシャグシャにしてやるぅっふ!?」

調子に乗ったヨッシーだったが、黄金の鉄拳の前に敢えなく撃沈。

「やめろって言ってんだろバカー!」
「ぐふっ…な、なぜ俺はダメなんだっ…八尾っちにゃ文句言わない癖にっ…」
「あのね!?ゆーくんとヨッシーじゃ撫で方のランクが違うの!ゆーくんのは愛撫!ヨッシーのは嫌がらせ!」
「この…扱いの違いっ………泣けるぜっ…!」

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05/22(Tue) 19:33
節制ちゃん

そんなやり取りに割り込み、話の軌道修正を試みる蓮香。

「と、所で黄金の屋敷とは…そんなに大きいのかの?」
「うに?…あ、そっか。蓮香は来るの初めてだったねー。皆が言うほど大きくないよ」
「いやいや、絶対デカイ。アレを小さいと言うなら、それこそ俺の家なんて家の定義に入らなくなる」
「そ、そんなに大きいのか縁よ」
「あぁ、そりゃあもう…開いた口が塞がらない位な」

俺の有りのままの思いを伝えると、蓮香は黙って腕を組み思案に入った様子。
恐らく、大きさを想像しているのだろう…。
その想像も軽く打ち砕かれる事となる…俺がそうだった様に、きっと蓮香も…。
だから俺は、あえて話題を変えて黄金の家への道中を過ごすことにした。

しばらくして、車が停止したので蓮香が声を上げる。

「およ、ついたのかの?」
「いえ、蓮香様。今しばらくお待ちくださいませ」

皐月さんはそう言うと、車から降りて大きな門の傍に取り付けられたパネルのような物を操作する。
すると、閉じていた門がゆっくりと開いた。
それを確認すると、皐月さんは車内に戻り車を走らせて門の中へ。
車が敷地内に入りきると、後ろの方で門が自動的に閉まっていく。
それをリアガラス越しに眺めて見ていた蓮香が一言。

「ほぉー…すごいのぉ。いったいどんなからくりが…」
「機械を使って門に鍵をかけてるみたいなモノじゃないかな、分かりやすく言えば」
「うぅむ…時代は進歩しておるのー」

蓮香の実年齢が少しばかり気になった自分に苦笑していると、長かった道のりもようやく終着点を迎えた。
赤青邸、玄関前へ。

「なっ…なんじゃこれは…」

車から降りて開口一番、コレである。
無理もない、テレビで紹介されるような西洋風の豪邸…それの二、三倍はありそうな代物が目の前に広がっているのだから。
斯く言う俺も、初めて見たときには開いた口が塞がらなかったのを良く覚えている。

「よっしゃー!蓮香ー、早速家の中案内するねー!」
「え?ちょっと…ぬぁあああああああああああっ!!?」

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05/22(Tue) 19:34
節制ちゃん

そんな驚き真っ最中の蓮香の手を掴み、元気良く玄関の扉を叩き開けると中へ向かって駆け出した。
長い廊下の奥へ向かって…。

「さっちゃん、二人は任せたー!」

と言う黄金の声と、まるで絶叫マシーンが苦手な人がそれに乗った時の様な蓮香の悲鳴を残して消えていった。
残された俺達は、しばらく沈黙した後で顔を見合わせる。

「…さ、お二人共。ご案内致しますのでこちらへ」

そんな笑顔の皐月さんの言葉に従い、俺とヨッシーは邸の中へ足を踏み入れた。
彼女の笑顔が、少し引きつっていたのは言うまでもない…。
黄金が案内で散らかすであろう、この広い邸を掃除するのは彼女なのだから…。



彼女の案内で応接室らしき部屋に通されて…。

「お飲み物を用意致しますが、リクエスト等はございますか?」

と言う質問に、俺は特になし、ヨッシーは『スーパーウルトラゴールデンデリシャスダイナミックマキシマムデラックススペシャルハイパーエクストラアルティメットベリーフルスロットルドリンク・デストロイボンバー』と返す。
すると、皐月さんは眉一つ動かさずに『承知致しました、少々お待ちください』とだけ言って部屋から出ていった。
必然的にヨッシーと二人きりになるので、俺は思った事を正直に口にする。

「ヨッシー、お前頭おかしいだろ」
「え?何が?」
「何が?…じゃないよ。さっきのリクエストだよ…えっと」
「スーパーウルトラゴールデンデリシャスダイナミックマキシマムデラックススペシャルハイパーエクストラアルティメットベリーフルスロットルドリンク・デストロイボンバーの事?」
「あぁ、それだそれ…何だよそれ」
「え!?八尾っち知らないの!?スーパーウルトラ」

ヨッシーが再び長ったらしい名称を言おうとしたので、それを制すべく声を上げた。

「あー!良い!言わなくて良い!長いから!…で、それは何なの?」
「昨日発売したばっかのジュース、結構前からCMやってるんだけど…見てないの?」
「見てない。てか、そんな長ったらしい名前のジュース発売するのは何処のどいつだよ…」

それに対して、ヨッシーは淀みなく聞き覚えのあるメーカーの名を口にする。

「ねこみこ食品」
「またそこか…トライしすぎなんだよあのメーカー…毎度毎度…」

俺の呆れた台詞なんて聞こえないように、ヨッシーは興奮した様子で語り出す。

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