投稿小説

皆さんも小説を書いてみませんか?

自分用のスレッドを作ってそれにレスしていく形で書いていきましょう♪

書いている方への感想コメントなどは雑談掲示板へお願いします

(このスレはこれ以上書き込めません)
前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  次へ 

05/18(Fri) 16:59
節制ちゃん

「…嫌だったかな?」
「意地悪な人…そんな訳ないじゃありませんか…」
「ふふっ、それは良かった。これで訴えられたらどうしようかと思っていたよ」

冗談めいて喋る銭に、皐月は普段見せないとても可愛らしい少女の様な笑顔を見せた。

「…こんな私で、良いんですか?」
「言っただろう?僕は君の全てに惚れたんだって」
「言っていませんよ、そんな台詞」
「ははっ、細かい事は気にしちゃいけない。愛には障害が付き物だよ」
「ふふっ、訳が分かりません」
「お、笑ったな?見てろよー、今に時間を持て余して『銀さん、イチャイチャしましょう?』とか言わせてやるからな?」
「うふふふっ、楽しみにしてます…」

彼女の笑顔に満足したのか、銭は乗り出したその身を席に戻そうとした。
その時、彼女のカップが倒れているのに気がついたのだ。

「おや、カップが…って皐月ちゃん、服が濡れているよ?」
「え?…あっ、やだ私ったら…すみません銀さん…折角淹れていただいたのに…」
「いや、それは良いんだけど…結構濡れてるね…」
「はい…中まで染みているようで…少し気持ちが悪いです…」

その言葉に、銭は少しだけ考えた素振りを見せると、ひとつ唸ってから声を出した。

「うーん…なら着替えた方が良さそうだね…奥から上に行けば部屋がある、シャワーでも浴びて待っていると良い。その間にどうにかして着替えを用意しておくから」

銭の言葉に何を想像したのか、目を見開いて顔を赤くする皐月。

「…大丈夫だよ、変な事はしないさ。今日はね」
「は、はぁ…なら、お言葉に甘えて…」

尚も顔を赤くする皐月は、足早に奥へと消えていく。
それを見届けた銭は、少し真面目な表情をして顎を擦った。

「さて…と。早々に服を仕入れなければならない…だがしかし、扉が無い今の状態で店を開けるのは避けたい…うぅむ、ユーの奴…早く帰ってくれば良いものを…?」

銭が独り言を呟いて考えを纏めていると、扉の無い入り口の方から二人分の気配を感じる。

「…誰だ?」

銭は、その正体を確かめるべく入口の方へ顔を出した………。

[削除]

05/18(Fri) 17:04
節制ちゃん

―そして現在、縁と黄金は…―

「うーむ、少し遅くなってしまったな…」
「サクサクッ…いーじゃんちょっとくらい…サクサクッ…遅れたってさぁ、別に怒られる訳じゃなーし」
「こら黄金、歩きながらお菓子食べるのやめろ、みっともない。帰ってからゆっくり食えば良いだろ」
「えぇー?…サクサクッ…ゆーくんったらさっちゃんみたい…サクサクッ…な事言うんだね」
「だぁー!?サクサクやめい!うっとおしいわっ!!!帰ってから食わんかいアホが!」
「サクサクッ、帰ったらさっちゃんがウルサイから、サクサクッ、ゆっくり食べられないんだもーん、サクサクッ」

何度注意しても尚、黄金はゲームセンターで取った棒状のコーンスナック―因みに先程から食べているのは『ぶり大根味』、『たくあん味』、『肉じゃが味』等々…何故お菓子にしたのか疑問に思える様なラインナップ―を美味そうに食べている。
全く反省の色が見えない彼女に呆れた俺は、深い深ーい溜め息をついて注意を止めた。
こんなのの面倒を四六時中見ている皐月さんは凄いと思う。
そりゃあストレスも溜まるわ…今なら痛いほど分かる…はぁ。
そんな事をして歩いていたら、何時の間にか目的地が見えて来た。

「黄金ー、見えて来たからお菓子食うのやめろよー」
「わひゃっへひゅお…むぐむぐ…ごくんっ。ゆーくん、歩き食いの事は内緒だからね?」

俺は『へいへい』と二つ返事で承諾し、彼女の手を引き店の前へ。

「…?…なんだ、これ」

途端、感じた違和感。
いつも通りの店の外観、別にオカしな点など一つとしてない。
しかし俺は、何故か理解できないがその光景に引っ掛かりを感じていた。

―ナニカガオカシイ―

そんな俺の雰囲気に異常を感じたのか、黄金が顔を覗き込んでくる。

「どったの、ゆーくん。具合でも悪いの?」
「…黄金、お前は何も感じないのか…?」
「はぇ?何が?」

俺の言葉に、不思議そうな顔をしながらも視線を追って店を見る黄金。
しかし、彼女はこう答えたのだ。



「別に、変じゃないよ?何処も壊れてないみたいだし…」















―?…どこも壊れていない…?―



その言葉で、俺は違和感の正体に気がついた…!

[削除]

05/18(Fri) 17:06
節制ちゃん

「黄金、警戒しろ。もしかしたらヤバい事になるかもしれない…」

俺は、思ったままの言葉で彼女に呼び掛ける。
すると、先程まで惚けた表情をしていたその顔に『無邪気な笑顔』が貼り付いた。

「血みどろ?」
「分からん…ただ、異常であるのは間違いない」

俺がここまで確信している理由…それは。



―店が壊れていないからだ―



そう、黄金が店を訪れた時。
店の扉を『破壊』して入って来た。
店を出た時も扉は外れたままだった。

しかし、今はどうだ?

綺麗さっぱり直っているではないか。
あの扉は特注品で、銭兄が自らデザインして直接業者に頼んで作らせた代物だ…一時間ばかしで直る訳がない。
つまり、ここから導き出される結論は一つだ。
今、この店には確実に『異常』な何かが起きている…。
だとすれば気になるのは…。

「…二人共、無事でいてくれれば良いが…」

そう呟いて侵入を試みる。
裏口でも有れば良かったが、生憎この店には存在しない。
なので正面切って突入するしかないのだ。

『…当然、鍵がかかってるとは思うが…って、かかってない…意外と不用心だな…』

俺と黄金は一度顔を見合わせてから慎重に、音を立てない様に扉を開けた。
幸いというところか、ドアのベルまでは直していないようで、音を立てる事無く侵入に成功。
問題はここから、敵の情報を少しでも掴まねばならない。
不用意に飛び込んで返り討ち、何て事になったら無意味だからだ。
俺は『昔』の様に神経を研ぎ澄まし、五感をフルに使って状況を分析。
気配は………四つ。
血や硝煙の臭い…無し。
何故か、嗅いだことのある石鹸の香りが微かにする。
それと、何かを組み立てる音が耳につく…。
…金属音…?…銃の掃除か…?…いや、それにしては音が細かい…だが、どちらにせよ今がチャンスかも知れない。
異常を起こした犯人が何かに集中しているなら、奇襲をかけることが可能だ。
俺は後ろにいる黄金にアイコンタクト、ハンドジェスチャーで作戦を伝え、彼女が頷いたのを確認してから大きめのぬいぐるみ一体を借り、それを持って飛び出す!

[削除]

05/18(Fri) 17:09
節制ちゃん

「………あれ?」

しかし、臨戦態勢で飛び込んだ俺の目に飛び込んで来たのは予想外な光景だった。

「お、やっと帰ったかユー…遅いぞ?」
「お帰りなさいませ八尾様。一体どうなされました?…ぬいぐるみなんて抱えて」

いつも通り、平和そうな店内。
にんまりと笑みを浮かべる銭兄と、不思議そうに首を傾げる皐月さん。
何故かメイド服ではなく、フリフリが異常に多い真っ黒なゴスロリを着ている彼女………謎だ。
更に謎の部分が一点。

「何故………何故ここにお前が居る、茨子」
「こんこーんっ!でっきたぁ!…って、うわぁ!?お兄何時の間に!?」

そう、我が愚妹…茨子が驚きながらこちらに振り向いた。
その手には、見覚えのある小さなベルが握られている。

「そりゃコッチの台詞だ。因みに、俺は用事を足してたった今帰ってきた所だが…茨子は?」
「え?アタイは暇だからお兄を迎えに来ただけだよ?そしたら扉が壊れてたから変だなぁとか思ってたらこのイケメン店主が出て来てさー、何かと思ったら『服買ってこい』とか言われてねぇ、うん、最初はブチ殺してやろうかと思ったんだけどホラ!アタイ、イケメンにゃ優しいから頼まれてあげた訳っ!で、戻ってきてもお兄は帰ってきてないじゃん?だから暇潰しに扉の修理してあげてた訳なんだー、understand?」

一息で自分の今に至る流れを掻い摘まんで喋った茨子に一言…『OK』とだけ返してやる。
しかし、気配は四つだと思っていたが…どうやら勘が鈍ったらしい。
そこで、出そびれていた黄金が顔を出した。

「ゆーくん、皆殺したー?…あれれ?」

そう、多分黄金も俺と同じ…いや、言葉から察するに、もっと酷い血みどろの光景を想像していたのだろう。
二、三度瞬きを繰り返してから『どゆこと?』と問い掛けてきた。
なので俺は、状況を簡潔に説明…。

「ぬぉ!?なぁにこの娘!?ちっちゃくて可愛っい!!誰!?お兄、誰この新キャラ!?」

と、思ったのだが…黄金に反応した茨子がスゴいスピードで近付き彼女を抱き抱えて質問攻めされた。
黄金は不思議そうに首を傾げて『コイツは誰?』と、俺に目で訴えかけている。

[削除]

05/18(Fri) 17:11
節制ちゃん

なので、俺は溜め息を一つ吐いてから各々の紹介をしてやった。

「へぇー、ゆーくん妹なんていたんだぁ。初耳」
「いやぁ、まぁ…そりゃそうだ」

最近結婚した嫁の妹だからね、つまりは義妹。
黄金が知らないのは当然だ、まだ結婚した事も言ってないし。

「お兄、何気に女の子の友達多いよね。しかもこんなちっこい娘まで手を伸ばすとはっ…変態!ロリコン!イケメン!」
「久し振りに聞いたな、それ…て言うか、勘違いしてるみたいだけど…俺と黄金、同い年だぞ?」

俺はもう一度深い溜め息をついた。

「マジ!?…うわぁ…黄金ちゃん成長期まだなの?」
「うん、毎日牛乳飲んでるけど身長伸びないんだー」
「うむむ、成る程…このけしからんオッパイに栄養を取られている訳だな………どれ、揉み心地は」

そう言って、徐に黄金の胸に両手を添える茨子。

「ひゃっ!?」
「うっひゃー!コイツは上物だじぇっ!!!」
「やっ、やめっ!?」
「グヘヘッ、嬢ちゃん…そんなこと言っても身体は素直に反応しておるぉふっ!?」

何やら調子に乗って服の中まで手を入れようとしている茨子の頭を殴った。
勿論、グーだ。

「酷いっ!お兄がDVに走ったっ!?これは警察にっ」
「アホか、お前が捕まるわ」

俺の冷静なツッコミに唇を尖らせて不満そうにブーブー言う茨子だが、素直に黄金から手を離した。

「うにー…酷い目に合った…ゆーくん慰めてぇ…」
「よしよし、変態は退治したからもう大丈夫だぞー」
「アタイは変態じゃなーい!淑女だっ!」

コイツは何を言っているんだ?
得てして自分は分別をわきまえた変態だとでも言いたいのだろうか?
そんな茨子から守る様に黄金を抱き寄せて頭をクシャクシャと撫でる。

「そういえばお兄。用事とか言ってたけど…何故にぬいぐるみやお菓子が?」

冷静に戻った茨子は素朴な疑問をぶつけてきた。
先程まで黄金が持っていたぬいぐるみやお菓子は、茨子に抱かれた拍子に落とされて足下に散乱しており…それらを見て思ったのだろう。
俺は少し考えて、言葉を選び発言した。

「あ、あぁー…それはだな、用事もすぐ終わったから暇潰しがてらに」
「黄金ちゃんとゲーセンデートしてたのだ!」

そう、俺の言葉に被せて黄金が発言した瞬間…俺は急激な寒気に襲われて、思わず大きく身震いする。
直後、聴こえてきた声。

「ほぉ…でぇと、か…それは聞き捨てならんのぉ…」

[削除]

前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  次へ 

[戻る]
(このスレはこれ以上書き込めません)
[TOPへ]



©フォレストページ