投稿小説

皆さんも小説を書いてみませんか?

自分用のスレッドを作ってそれにレスしていく形で書いていきましょう♪

書いている方への感想コメントなどは雑談掲示板へお願いします

(このスレはこれ以上書き込めません)
前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  次へ 

11/07(Mon) 10:25
節制ちゃん

蓮香の登場に口を閉じていた根子月も、状況で誰かを認識して、自己紹介を始めた。
その声に、寝惚けてた彼女は彼を見る。
すると、真っ白な顔はみるみる赤くなり、寝惚け眼を完全に見開いて、口を魚のように開閉している。

「あ、狐耳と尻尾が逆立った!可愛いー!」
「ぬぁああああああ!!!??」

店内が、叫びと共に光で満たされた。










「もっ、申し訳ない!根子月殿!」
「あはは、気にしないで、れったん…ケホッ」

電撃が根子月を直撃した後、我に返った蓮香に一通り事情を説明し、今に至る。
蓮香は、黒焦げの根子月に平謝りである。

「そうだ、気にするなよ蓮香。悪いのは全部ヨッシーだし」
「ケホッ…八尾っち、俺に対して鬼畜くね?」
「ふっ…俺の優しさは全て狐…もとい、蓮香に割り振っているからな」

そう言って、膝上で涙目の彼女を抱き締めた。
抱かれた当の本人は、平謝りし通しな訳だが。

「あ、成る程…納得。じゃなきゃ、こんな状況でニヤニヤとれったんを抱き締めてなんていられないもんな」

根子月は周囲を見回して言う。
先程の電撃、実は相当なもので…
根子月だけではく、銭兄、そして店内のありとあらゆる場所を黒焦げにしてしまった。

え?俺?
勿論、黒焦げです。

「はっはっはっ、こんな事まで出来るとは…やるね」
「申し訳ない!申し訳ない!申し訳ない!」
「ごめん、銭兄…俺からも謝る、そしてリフォーム代…出すよ」

そんな俺の返しにもケタケタ笑う。

「んや、大丈夫だ。八尾夫妻は安心して良いぞ」
「申し訳ない!申し訳ない!」
「どゆこと?」
「ここにいる根子月君が、全額負担してくれるって言うから…ね!」
「ちょ!?それどういうこと!?皆、今日は俺に鬼畜過ぎやしないか!?」

黒焦げの銭兄が、黒焦げの根子月の両肩を後ろから叩く。
勿論、根子月は反論する………と、思いきや。

「んー…まぁ、いいか。八尾っちにゃ日頃から世話になってるし」
「いいのか…」
「だから言っただろ、ユー」
「申し訳!申し訳!申し訳!」
「「「ちょっと落ち着け」」」
「もっ…もうしわけ…」



と、そんなわけで…
今日のバイトは終了したのだが、さてはて…どうなる事やら。

[削除]

12/19(Mon) 09:00
第四話『猫憑き猫好き』
節制ちゃん

「八尾っち!今日、俺ん家に遊びに来いよ!」
「………は?」

平日、世の学生達が学業に励むであろう日。
そんな日の朝、せっせと通学準備をする俺に電話が入り、出てみると開口一番コレである。

「八尾っち!今日、俺ん家に遊びに来いよ!」
「…それじゃ、学校で会おう」

壊れたテープレコーダーの如くリピートを繰り返す根子月に、冷たく返して電話を切ろうとする。

「待てっ!八尾っち!切るなっ!?話を聴………」

そんな叫びが聴こえてきたが、問答無用。
サボりに付き合ってやる気は無い。
そして俺は、再び通学の準備を…。


コンコン。


と、思ったが…また邪魔が入る。
どうやら今度は来客のようだ。
因みに、今聞こえた音は扉をノックした音であって、決して狐の鳴き声ではない。
第一、狐はコンコンなんて鳴かない。
ここ、テストに出るからね?
と、まぁ…八尾先生のワンポイント狐講座も程々に、俺は軽く返事をしながら玄関の扉を開けた。

「げ…委員長」
「お早う、八尾くん。げ、とは随分な挨拶じゃない?」
「えぇ、すみません、お早う御座います。そして、お休みなさいませ」
「わわっ!?ちょっと待ってよ!扉閉めないでー!?」

来客の正体は、なんと俺の苦手な委員長だった。
その爽やかな笑顔を見ていたら、急に体調が悪くなってきたので今日はお休みするとしよう。
…蓮香とイチャつこうかなー。
と、そんな感じで扉を閉めたのだが…、隙間に体をねじ込まれた事により、失敗。
しかたなく扉を開放した。

「ふぅ…危なく逃がすところだった…」
「おめでとう、そしてお疲れ様です」
「…むぅ…人の話はちゃんと聴かなきゃ駄目だよ!」
「はい、以後気を付けます。…で、何か用?」

怒り気味だった委員長もその質問で我に返り、咳払い一つしてから返答する。

[削除]

12/19(Mon) 09:02
節制ちゃん

「えぇ、実は今朝学校から連絡が入って、今日は事情があって臨時休校になるから、って事なんだけど…八尾くんの連絡先知ってるのって根子月くんだけでしょう?お寝坊さんの彼に任せてたら、朝の早い八尾くんは学校に行っちゃうと思って私が直接出向いたの」
「…成る程…そりゃ手間を取らせたね」
「ん、いいよ。丁度、朝のウォーキングも良いかなぁ…なんて思ってたから」
「ふぅん…ウォーキング、ね」

はにかむ委員長をサッと観察。
いつもは後ろで束ねている髪を下ろし、黒くてツヤのある長髪を靡かせている。
その上、歩くには不釣り合いなお洒落をし、メガネも無し。
…女の子だから、と言えばそれまでだが…何とも怪しい。
如何にも『これから好きな人とデートします!』的な感じがする。
だがしかし、これは変に触ると爆発する地雷感が否めないので、華麗にスルーしよう。

「それじゃ、ウォーキング楽しんでね…俺は寝」
「待って」

自然な流れで部屋に逃げ込もうと思ったら、服の裾を掴まれた。
振り向くと、委員長は頬をほんのりと朱色に染めて俯きながらも、潤んだ瞳でチラチラとこちらを伺っている。
………ナニ、コレ?

「………あの、委員」
「八尾くん!」
俺は、手を離してくれるよう頼むはずが、強く名を呼ばれることによりそれはかき消された。

「………」
「…あ…の………その」

沈黙。
何とも嫌な、望んでもいない微妙な空気が漂い始める。

「…あの、委員」
「八尾くん、もし…もし、良かったら…なんだけど」

流石に堪えきれなくなり、俺が喋ろうとすると…彼女がそれをかき消して喋る。
…なにこれ、狙ってんの?ねぇ?

「良かったら!今日、私とデ」
「ふぁー…あ、よく寝た…お兄ちゃん、何か作ってー…?」

[削除]

12/19(Mon) 09:04
節制ちゃん

ここで、この空気を見事にぶち壊してくれる俺の救世主が登場。
声の方に顔を向けると、パンツ一枚に俺のお古である白のワイシャツを羽織り、前を全開ではだけさせナイスバディを見せつけながらも、子供のように甘えた口調で喋り、寝惚け眼を擦りながらコチラに歩み寄ってくる茨子が。
…あれ?これはこれでまずくない?
狐耳も尻尾も全開だよ?

「あれ…え?…誰?…妹さん?…にしては発育が…え?」
「………よし、大丈夫みたいだ」

不安と共に振り返ると、委員長は瞬きを繰り返して驚いている様子。
どうやら、スタイルの良さに目がいって狐耳や尻尾には全く気が付いていないようだ。
なんて安堵も束の間…新たな恐怖が俺を襲う。

「お兄ー!腹減ったって言ってるじゃんか!」
「ちょ!?茨子…抱き付くなっ!胸が、胸が直撃だっ!」

なんと、この状況で空腹のせいでキレた茨子が後ろから抱き付いてきたのである。
こんな所を蓮香に見つかったら死ぬ!
今までですら半殺しにされかねない状況だったのに、もうっ!

「や、八尾くん…まさか、その女の子…彼女…?」
「え?いや…違」
「およ?知らない女の子が…お兄、誰さこの子!アタイという素敵な浮気相手がいながら浮気かっ!?お兄ちゃんの変態!ケダモノ!イケメン!」
「や…やっぱり彼女なんだ…」
「いや、双方共に落ち着け。個々に突っ走るの良くないよ?物事には、調和とか、協調とかがあってだね…」

一方で俺の肩に顎をのせて叫び散らし、もう一方では全身から青いオーラを出して落ち込んでいる。
そんなのに板挟みな俺。
…泣いても良いですかね…?

「ごめんね、八尾くん…それじゃ…また明日…」
「変態!イケメン!ケダモノ!イケメン!………って、あれれ?お客人が帰っていく。良いの?」
「…うん、とりあえず…これで良い…それと、朝食はすぐに作ってやるから離れろ…死ぬ…」

蓮香起因でね…。

「およよ?お兄、おっぱいは嫌い?ほらほら、気持ち良くない?」
「………飯、作らなくても良いんだな?」
「サー!イェス、サー!茨子二等、直ちに離れるであります!」

俺の言葉に胸を押し付けるのを止め、即座に敬礼する。
よし、とりあえず問題解決、死亡回避。

[削除]

12/19(Mon) 09:08
節制ちゃん

そんな絶妙のタイミングで携帯が鳴る。
俺は、ゆっくりとポケットからそれを取り出して、電話に出る。

「八尾っち、だから話を聴けって言ったのにー」
「…ヨッシー、大方見当はつくが…今、どこにいる」
「八尾っちん家の前にある茂みの中」

ちらりと言われた方向を見ると、茂みから携帯を耳に当てたまま顔を出した根子月が手を振ってきた。
相変わらずの爽やかな笑顔を浮かべて。











「あむっ!…もぐもぐ…八尾っち、おかわり!」
「んぐ…もにもに…イケメンが増えて茨子ちゃん絶好調!お兄ちゃん、アタイもおかわり!」
「………お前ら、よく匂いだけで米食えるな」

そんな訳で、俺達は三人で仲良く朝食の席についていた。
本日は休みということで、余っていた豚肉と野菜を使った『蒸ししゃぶしゃぶ』である。

「はむっ…ところで、八尾っち。れったんは?」
「ん?…そういや珍しく布団に潜ったまま出てこなかったな、さっき声かけたのに…具合でも悪いんだろうか」
「はぐはぐ…お姉ちゃんなら、朝早く出掛けたよ?」
「なにぃ!?」

茨子の言葉に慌てて箸を置き、寝室へ駆け込んで膨らんだ蓮香の布団を剥ぎ取る。
すると、そこには狐のぬいぐるみが申し訳無さそうに座っていた。
良く見ると、その下には書き置きが…。
なになに…?

『銀殿と約束があるので、喫茶まで出掛けます。黙っていて申し訳無い。夜には戻れると思うので、心配せず待っててたも。 貴方の蓮香より、はぁと』




















「………は?」

いや、落ち着け縁。きっと何かの間違い………そうだ!見間違いに決まってるって!
目を擦り、再度朗読。
先程と、一字一句変わらぬ文章がそこにあった。
俺は、断末魔の悲鳴を上げた。



「んぐんぐ…八尾っち、叫んでるね」
「もぐもぐ…うん、多分書き置きでもあったんじゃないかなぁ…さて!そろそろ蒸し上がったんじゃない!?」

茨子は、嬉々とした表情でホットプレートの蓋を取る。
すると、湯気と共に現れた良い感じに蒸し上がった肉や野菜が、キラキラと光輝いている。

「「おぉー!美味そうー!」」

そして二人は顔を見合わせて頷き、そっとそれに箸を延ばした………。

[削除]

前へ 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10  次へ 

[戻る]
(このスレはこれ以上書き込めません)
[TOPへ]



©フォレストページ