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11/07(Mon) 09:41
ちょっと待ってよ!お狐様!〜昨日の殺し屋、今日の嫁!?〜[弐]
節制ちゃん

大好評!?

狐小説、『ちょっと待ってよ!お狐様!〜昨日の殺し屋、今日の嫁!?〜』の2スレ目です。

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11/07(Mon) 09:48
第三話『銭と縁と金の縁』続き
節制ちゃん

「自分は銀 銭(しろがね せん)、この喫茶店の店長だ。そして、縁とは血を分けた兄弟」
「嘘はやめてください、信じかねません」

俺の割り込みに、ソーリーソーリー、なんて軽く手を上げて返してくる。

「とまぁ、血を分けたのは冗談だ。しかし、僕は縁の事を実の弟と思っている」
「さらっと恥ずかしい台詞吐かないでください、首ねじ切りますよ」

そんな俺と銭兄のやり取りを見て、クスクスと笑い出す蓮香。

「いやいや、実に中が良いのー。本当に兄弟のようじゃ」
「おぉ、お嬢さん!わかってくれるか!」
「…だとしたら、困った兄だけどね」

一同、一斉にコーヒーカップを傾ける。

「で、ユー。最初から、言おう言おうと思っていたんだが…」
「なんです?」
「彼女は狐か?」

その言葉に、俺はコーヒーを吹き出した。

「これっ!縁、汚いぞっ!?」
「いや…ごめん…でも、半分蓮香のせいだからね…」
「銀殿!何か拭く物を…」
「はい、お嬢さん」
「「早ッ!?」」

蓮香が言い切る前に、いつの間にかおしぼりを二つ分持った銭兄がいた。
彼は、その内一つを蓮香に、残りを俺に手渡す。

「いやはや、仕事が早くて結構なことじゃ」
「まぁ、店長としては当然のスキルだよ。不測の事態こそ冷静迅速に…ね?」
「いや、そこで俺に振らないでください…」

蓮香に口元やら服やらを拭かれながら、俺は床に飛び散った黒い液体を処理する。
今日、黒い服にして良かった…。
なんて、自らの不始末を処理し終え、再び定位置に戻る。

「それで、銀殿。どうしてワシが狐だと?」

何も気付いていない蓮香は、冷静に返す。

「ふっ…まぁ、僕の第六感がね…ビビッ!っときた訳ですよ」
「いや、だから銭兄…嘘つかないでください。…蓮香、トイレで自分の顔を見てきてよ…」
「?…了解じゃ」

彼女は可愛らしく小首を傾げて、不思議そうな顔でトイレに入っていった。

「「………」」


待つこと数秒。


「なぁああああ!?しまったぁあああああああ!!」

トイレから蓮香の絶叫が聴こえた。

「はっはっはっ!面白い娘じゃないか、ユー。良い嫁さんを貰ったな」

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11/07(Mon) 09:52
節制ちゃん

「うぅ…面目ない、縁。狐耳を消すのを忘れておった…」

トイレから帰ってくると、ションボリした様子で俺の隣に腰をかける。
そんな彼女の頭を優しく撫でて、一言。

「まぁ、仕方ないさ…気にするな。それに、銭兄は俺の趣味を知ってるし」
「なに、そうなのか?」
「まぁ、ね。しかし、本物の狐と結婚したのは少々驚いたが」

蓮香の視線を受けて、ニコリと笑って返す銭兄。
しかし…この人にはバラしたくなかったなぁ…。

「まぁ、せっかくこうして知り合ったのも何かの縁だ。蓮香ちゃん、ウチで働きなさい。生の狐ウェイトレスがいる店なんて他に無いし、きっと儲かる!」
「ちょっと待て、アホ兄」
「ん?どうした、ユー」
「人の嫁を商売に使うなっ!蓮香は見世物じゃないっ!」

この男は、お金を稼ぐことになると常識を見失ってしまうのだ。
これこそが、俺が彼女の正体を隠したかった最大の理由。

「おぉっと…ソーリー、ソーリー。そう怒るな、悪気はないんだ」
「知ってるよ…まったく質の悪い…」
「…ワシは構わぬぞ…?」
「「…え?」」

イキナリの発言に、二人して蓮香に視線を移す。

「…だって、縁と一緒なんじゃろ?なら、ワシは…構わぬぞよ?」

…ぐはっ。
ホントにもう…ホントにもう!何この狐ッ娘はっ!
可愛すぎるよ…まったく…。

「ユー…この娘を大事にしろよ…?」
「ちょ!?何、鼻水垂らして泣いてるんですか…汚いし気持ち悪い」
「いや…ちょっと、目から穢れが流れ出てだな…お嬢さんがあまりにも純粋で美しいから…」
「銭兄、穢れきってますもんね」

と、そんなやり取りを繰り広げている内に、時間は刻一刻と過ぎていく。

「さて、お遊びはこの辺にして…モーニングの仕込みでもしようか」
「そうですね」
「ワシも手伝うぞよ!」
「蓮香…モーニングの仕込みの意味、分かってる?」
「いや、全く知らん」

はぁ、とため息をつきながら項垂れる。

「朝食の準備…蓮香、出来る?」
「なにぃ!?モーニングとはそういう事なのか!?」

俺の返しに、両手両膝をついて落ち込んだ。
…料理、出来ないもんね。

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11/07(Mon) 09:55
節制ちゃん

「蓮香ちゃん」
「…なんぞ、銀殿…?」

そんな蓮香の側で屈み、話しかけた銭兄。

「料理、練習してみないか?」
「…え?」
「成せば成る、成さねば成らぬ、何事も…。努力してみる気はないかい?ユーの為に」
「縁の…為に…!」

すると、落ち込み沈んでいたはずの蓮香の目に火が点いて、すっくと立ち上がる。

「ワシはやるぞ!縁の為に!!」
「よしっ!その意気だ!…と、言う訳で。ユー、君は店内の掃除を頼むぞ?」

と、銭兄は俺にモップを手渡してニコリと笑い、蓮香とカウンター奥に消えていった。

「………はぁ、やるか」

若干の不満をため息と共に吐き出し、俺は掃除に没頭することに。



しかし、蓮香は大丈夫だろうか…。
彼女は、今まで一度も台所に立ったことが無いらしいからな…。
そんな俺の不安を他所に、カウンター奥のキッチンからは叫び声が。

「ぎゃー!魚が跳ねたー!?」
「気にするな!一息で切るんだー!」

とか。

「ぬぉー!?まな板が真っ二つにっ!?」
「気にするなっ!まだ新しいまな板があるっ!」

とかとか。

「ひぇー!!?人参じゃー!?」
「落ち着けぇー!ただの人参だっ!」



…なんて会話…というか、若干意味不明な叫び合いが聴こえてくる。
…近所から苦情がこなきゃいいけど。

「蓮香…大丈夫かな…生きて帰ってきてくれれば良いけど…」

我が嫁の安否が心配で気が気でない俺は、それを誤魔化すようにテーブルの拭き掃除に没頭した。



一通りの掃除を終えて椅子に座り、急に静かになったキッチンの様子をチラチラと伺う。
勿論、ここから見える訳ではないが…。
ふと、壁に掛けられた時計を見ると…短い針が6を指している。
…あと少しで開店か…。
なんて呆けていると、目の前に何かが置かれた。

「…ん?…って、銭兄か」
「朝食まだだろ、食べとけ」

俺は目の前に置かれた朝食を見る。

ベーコンとチーズのホットサンド
白身魚のサラダ

今朝出す予定のモーニングセットがそこにあり、俺はそれと銭兄を見比べる。

「珍しいね、朝食出すなんて」
「いーから、早く食え。冷めるから」
「ん…いただきます」

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11/07(Mon) 09:58
節制ちゃん

蓮香がキッチンから出てこないのを不審に思いつつ、ホットサンドを口に運ぶ。
ちょっと焼きすぎで、パンが固い気もしたが…なんでだろう、すごく美味い。

続いて、白身魚のサラダを頂く。
…ドレッシングのかけ過ぎで、油っぽい…。
それに、白身魚もぐちゃぐちゃだし、野菜だって不揃いで見た目も悪い。
しかし、こちらも何故だかフォークが止まらない。
あっという間に胃に収めて銭兄を見ると、愉快そうにニヤニヤしている。

「どうだった?」
「いや…どうって言われても…この空の食器が答えです」
「ふっふっふっ、そうかそうか…おーい!蓮香ちゃん!お客様にコーヒーをお持ちしてくれ!」

銭兄の一声で、エプロン姿の蓮香が慎重にコーヒーを運んでくる。

「ど、どうぞ…」
「え、あっ、どうも…」

震える手でテーブルにコーヒーを置く蓮香。
俺は少しドキドキしながらも平静を装い、置かれたコーヒーを啜る。

『に…苦ッ!?』

飲んだ瞬間、広がる苦味と粉っぽさ。
恐らくは、コーヒー粉の量を間違えたんだろう。
だがしかし、これも例に漏れず美味い気がする…。
いや、確かに俺は苦い方が好みだけど…はて、これはいったい…。

「ど、どうかのぉ…?」
「ん、いや…すごく苦いんだけど…美味い」

俺の一言に、不安そうな表情の蓮香の顔に光が差し込み明るい表情へ。

「やったぞ、銀殿!縁が美味いって言ってくれたぞよ!」
「ふふっ、良かったね蓮香ちゃん」

二人のやり取りを見て、俺の中の疑惑が確証になろうとしている。

「えーと…もしかして、今まで出たのは…」
「あぁ、蓮香ちゃんに一人で作って貰った。僕は一切手伝っていない」

あぁ…成る程…。
妙に美味く感じたのはそれか…。
これが、愛のパワーってやつ?

「縁ー!」
「わっ、蓮香…抱きつくなって…」
「うふふー、ワシは今、すごく嬉しいぞよー!」
「って、人の話を…はっ!?」

座る俺に抱きついて離れようとしない蓮香。
そんな光景を、銭兄はニヤニヤと眺めてくる。

「縁ー…ワシは頑張って良妻になるからのー…」
「いや、今でも充分良妻だって…だから離れてッ…この羞恥プレイは難易度高いっ!?」
「いや、僕は楽しいから続けていいぞ?」
「銭兄の意見なんて聞いてないから!?」

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