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10/19(Wed) 18:57
節制ちゃん

「それに、ワシらは愛し合うのに忙しくて、お主なぞに構ってられぬわ」
「蓮香ー!余計な事言うなー!」

揺さぶるのを止めた黒狐は、どす黒い気を纏って口端をヒクつかせている。
せっかくのほほんムードだったのにー!
和解できると思ってたのにー!!

「蓮香ー!?火に油を注ぐなー!?」
「いや、縁。だって事実じゃろ?」
「いや、まぁ…そうだけどさ。言って良いことと、悪いことがね…」

なんて、蓮香に空気読みの極意を教えていると、黒狐は肩から手を離して再び距離を取る。

「もう許さんっ!九狐 蓮香!!貴様を殺して、今日からアタイが狐族のトップになるっ!!そして…イケメンとスパゲッティを飽きるほど食い尽くしてやる!!!」

…あれ?
何かがおかしいぞ?
いや、主に後半ね、後半。
てゆうか、狐族って………いたんだね。
是非とも見に行きたい。

「…縁…浮気は許さぬぞ…?」
「あ、口に出てた?」
「だだ漏れじゃ、ウツケ者」

なんて、蓮香にジト目で言われた。
うーん、俺は蓮香一筋だよ?ホントだよ?

「くきぃいいい!!?またアタイを無視してイチャつきやがってバカップルめっ!死ねっ!」

と、怒りの叫びを上げながら火炎弾を両掌から出し、コチラへ放つ。

「くっ…!未熟者めっ!私欲で狐の里を支配しようなぞ、四百年早いわっ!!」

それに対し、蓮香は叫び返して電撃を手から放ち、火炎弾をかき消した。

「ふん!九尾の力を失った貴様なぞアタイの敵じゃないっ!くらえー!!」

今度は、炎の渦を放ってきた。
蓮香も、自らの電撃で対抗するも…やはり自力の差か。
明らかに疲弊の色が見える。
そして、何とか炎の渦をかき消した所で、地に膝を付いてしまった。

「くぅ…この程度で力が…」
「くっくっくっ…一尾分の力で良く頑張ったものね!でも、それもこれで終わりよ!命は貰ったー!」

今までと比較にならない密度の火炎放射が蓮香に迫る!
俺は、口より先に体が動いた。

「危ない、蓮香!!」
「ゆ、縁っ!?」

俺は、彼女を守るように覆い被さり、共に炎に包まれた。

「あーはっはっ!リア充は死んだっ!これで、今からアタイがリア充よー!こーんこんこんっ!」

炎を放ちながら、喜びに顔を綻ばせて大きな高笑い。
しかし、それは突然降り出した雨によって中断させられた。

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10/19(Wed) 19:01
節制ちゃん

「…?…雨なんて、変ね…結界内で天候が変化するなんて………って、炎が消えていくぅ!?なんで、なんでぇ!?」

八尾分の力をありったけ込めた炎は、普通の雨なんかで消えるはずはないのに。
そんな、不測の事態に狼狽する黒狐。



「やれやれ…じゃの。この程度で狼狽えるとは…」
「はっ!?その声はっ!?」


大雨の中、鎮火した炎の中から現れたのは、白銀の長髪と、九つの尻尾を揺らした長身の女性。
雨は彼女を避けて降っており、艶やかな髪を静かに靡かせている。

「くっ、くくくっ、九狐 蓮香!?力を失ったんじゃなかったのっ!?」
「あぁ、失っていたぞよ?…しかし、お主のお陰で取り戻したわ」

笑顔を浮かべ、強烈な雷の気を纏わせる。
それを見た黒狐は、青ざめて腰を抜かす。

「はわわわわっ!?マ、マズイっ!」

必死に逃げようとするも、ぬかるんだ足場のせいもあってか思うように動けていない。

「…待て、茨子」
「はっ、はいぃぃぃ!」

たった一言で、その場に正座する黒狐・茨子。

「ワシに逆らった事、反省しておるかの?」
「反省してますっ!ごめんなさいっ、もうしませんから命だけはお助けをーっ!!」

何度も土下座を繰り返す茨子に、蓮香はくすり、と笑い返す。

「そうか…そんなに反省しておるなら仕方ないの…」
「ゆっ、許してくれるの!?」
「あぁ、許してやるとも…」










言葉の終わりと共に、ゴロゴロと空が唸る。

「一発でな」
「ちょっ!?お姉ちゃん、待って!話せばわかっ…!?」


光と共に、一発の雷が茨子目掛けて落ちた。

茨子の沈黙と共に結界が解けて、澄んだ青空と爽やかな陽射しが広がる。

「ふむ…時間切れかの…」

その一言で、九尾の蓮香は光の粒となり、元通り、俺と一尾の蓮香に分離した。

「…なんだったの、今のは?」
「ふむ…ワシにもさっぱりじゃ…じゃが、とりあえず危機は脱したから良しとするかの!」
「そうだね、うん」

そうして、振り返りアパートを見る。
すっかり黒焦げで見る影もない。
これから、住むところどうしよう…?
まぁ、それはともかく。

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10/19(Wed) 19:03
節制ちゃん

「ねぇ、蓮香。アレ、大丈夫なの?」
「あぁ、アレか。気にするでない、見た目よりずっと丈夫に出来ておる。その内目を覚ますじゃろ」

そう言って、黒焦げのアレこと、茨子を見る。
まぁ、蓮香が言うんだから大丈夫なんだろうけど…心配だな。

「しかし…アレがこの前話してた妹さんか…何か、こう…アレ、だね」
「うむ…茨子には昔から手を焼いておる…我が妹ながら、困った奴じゃ…」

と、深い深ーいため息をついた。
そりゃ憂鬱にもなるわな、妹に命を狙われてりゃ。
そこで、ムクリと起き上がった空気の読めない例のアレ。

「ふはー…げほっ、げほっ…うぇー、死ぬかと思った…。ん…?何か用?」

俺達の視線に気が付き、小首を傾げる。

「「いや、別に」」
「そ、なら良いけど。って、うわぁっ!?家が黒焦げじゃん!まったく…誰だ、こんなことしたのは…」
「いや、お前だろ」
「はい、すいません…出来心だったんです…」



そんな訳で。



「ふぇぇぇんっ!なんでアタイが家の建て直しなんてしなきゃいけないのよー!?」

文句を叫びながら、トンテンカンとトンカチを使う茨子。

「ほらほらほらーっ!サボってないで働くのじゃー!ワシと縁の愛の巣を壊した責任を取れー!!お主、工作は得意じゃったろー!」

と、指示を飛ばすのは我が嫁・蓮香。
そんな光景を横目で見つつ、ほぼ無傷だった部屋の家具やら狐グッズを運んでいる俺。
何でも、茨子の気配を察知した蓮香が、目についた物を片っ端から火炎保護の言霊を掛けたとか。
…そんな暇あったら逃げれば良かったのに…。

「でも、ま…しっかり者の嫁のお陰で、数十万かけて集めた狐グッズは無事なわけだし…いいか」

家は燃えたけど。
…今日中に直るもんじゃないしなー…こればかりは。


「出来たこーんっ!」

へぇ…出来たんだ、すごいね…って。


「早すぎだろっ!?」
「え?」

思わず運ぶのを止めて突っ込んでしまう。
不思議そうにこちらを見る茨子の足元には、犬小屋サイズの家が。

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10/19(Wed) 19:10
節制ちゃん

「いや、これくらいなら朝飯前だよ?ほら、アタイ、工作得意だし。見てー!このラインなんて芸術的じゃない?」

とても嬉しそうに自らの作品を見せびらかす。
…やべぇ…可愛いから怒るに怒れない…。

「いや、でもサイズが…」
「ふふん、その点は心配無用じゃ」

と、俺の疑問に、待ってました!と言わんばかりの得意気な顔をした蓮香が割って入る。

「ほれ、茨子。早く仕上げにかかるのじゃ」
「サー!イェスッ、サー!」

ビシッ、と敬礼をした茨子は、自らの力作を持ってアパート跡の中央辺りへ。

「お姉ちゃん、この辺で良いー?」
「もうちょい右じゃー!」

指示通りに家の模型を置き、パタパタとこちらに戻ってきた。

「…で、どうするの?」
「ふっふっふっ…まぁ、見ててよ」

俺が問うと、茨子はニヤリと笑い胸を叩く。
そして、家の模型に向かって両手を伸ばして唸り始める。

「むむむ…」
「…何してんの?」
「まぁ、黙って見ておるが良いぞ」

蓮香に言われた通り、待つこと数分。

「はぁー!!!」

茨子の叫び声と共に家の模型が爆発して、周囲は白い煙に包まれた。

「…げほっ…壊しちゃ元も子もない…ってアレ?」

煙が晴れ、目前に現れたるは立派なアパート。
しかも、以前のに比べたら数段綺麗だし、広そう。

「ドウイウコトナノ?」
「まぁ…簡単に言えば…家の模型を化かした、といったところじゃ」

ふーん…まぁ、良く、狐は化かすのが得意だって言うもんね…。
うん、もう納得した。
納得したんだってば。
…なんて、自らに言い聞かせる。

「ささ、中へ入った入った!茨子ハウスのクオリティを特と見よ!」

と、俺の気を知らない茨子に背中を押されて、新アパート内部へ。

「おっ…これは…」
「うむ、綺麗なものじゃ。茨子、大義であった」
「ふっふっふっ、アタイにかかればこんなもんよっ!」

まず、入って驚いたのは広さ。
以前の軽く三倍は有るんじゃないか?
…いや、物がないからなんだろうが。

「で、一つ聞きたいんだけど…茨子ちゃん」
「ん?何?スリーサイズは非公開よ?」
「いや、それも気にならん訳ではないけど…この左右についてる扉は?」

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10/19(Wed) 19:12
節制ちゃん

明らかに異質のモノ。
ここ、六畳一間くらいの一室だったはずだが…。

「あぁ、それは…左のが二人の寝室で、右が私の」
「ちょっと待て」

いや、とりあえず百歩譲って部屋の形状が変わったのは良いとして…私のって何?

「…住むの?」
「えっ、いやー、ほら………ねっ!」

俺の言葉に、明らかに狼狽える茨子。
まさか、この狐も訳有りってんじゃないだろうね…?

「大方、外界に出る際に里で大暴れしてきたものじゃから、仕置きが恐ろしくて帰るに帰れない…そんなところじゃろ、茨子」
「なっ、なんでわかったのっ!?」

蓮香の一言に、八本の尻尾を逆立てて驚く茨子。
どうやらその通りらしい。
…なんてことだ。

「ふん…お主のような無法者が里の許しを得られるはず無いからの。まったく…」

困った顔をして、最後にはため息で締める蓮香にしがみついた茨子。

「ふぇぇぇんっ!お姉ちゃん、お願い!アタイを助けると思ってぇー!!」
「こっ、これっ!しがみつくでないっ!くっ、苦しいっ!」
「水責めの罰はイヤー!お願いだよーっ!?」

きっと、以前なら姉に抱きつく妹の図に見えたんだろうが…今の蓮香はチンチクリン。
茨子の豊満な胸に顔を押し付けられて、非常に苦しそう。

「はっ、離さんかっ!ウツケ者がぁー!!」
「ぎゃああああ!!」

その状況を、蓮香は自らの電撃で脱出した。
勿論、その電撃をモロに食らった茨子は再び黒焦げに。

「はぁ…はぁ…死ぬかと思ったぞよ…」
「お疲れ様。その代わりに、現時点で死にそうな黒狐がいるけど…」
「あ…しまった」

こんがり美味そうにローストされてます。
大方、黒狐の丸焼き‐茨の薫り‐ってところ。

「まっ…まぁ、良い。それより、どうする縁」
「ん、何が?」
「茨子を住まわせるって話じゃ…。ワシとしては、なんだかんだで可愛い妹じゃから住まわせてやっても良いかなー…なんて思っておるのじゃが…」

なんて、上目遣いで言ってくる蓮香。
もう、可愛すぎて即OKしそう…。

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