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09/23(Fri) 22:56
節制ちゃん

「九狐 蓮香じゃ、本当に忘れてしもうたか?」
ビンゴ、俺の敗北だ。
せめて、一言だけ言わせてくれ。

「俺の十数年を返せ、チクショー!!」






「はっはっはっ!ソナタは阿呆じゃの!…くくくっ」
事の真実を知った狐少女、もとい、蓮香は俺を指差して爆笑した。
「なに、幼き頃に見たワシが忘れられぬあまりに狐に執着し、友や両親と縁を切ったと!?…あーっはっはっ!これは傑作じゃあ!」
俺の十数年の苦しみをネタに転げ回る蓮香。
勢いに任せて、全部ぶちまけた俺が馬鹿だった…。
「まぁ、そんな顔をするでない。それだけ想いを寄せられていたと思えば、ワシも嬉しいぞよ。…くくっ」
にんまりと口端を上げて笑む。
そんな彼女の顔を見ていたら、怒りもどこかへ消えてしまった。替わりに、深いため息が出たけど。
「所で、一つ聴きたいんだけど」
俺は、狐のぬいぐるみで遊ぶ蓮香に言う。
「なんぞ?申してみよ」
「何故に、そんなチンチクリンに…がふっ!?」
狐のぬいぐるみとキスする形になった。まぁ、痛くないし…良いけど。
「五月蝿い!全部、貴様のせいじゃ!」
「俺のせい?」
はて、どういう事だろう。
そんな思いを知ってか、蓮香はため息混じりに事情を説明しだした。

「…縁、ソナタが死の淵に立っていた時…ワシが力を分けたのを覚えておるな?」
無言で頷く。
「うむ、実はあの時、ワシはソナタに少量の霊力を分け与えるつもりじゃった。しかし…問題が起きてしもうたのじゃ…」
蓮香は項垂れながらも、話を続けた。
「縁は、元々霊媒体質の様での…。その上、霊力吸収に秀ていた。そんなソナタが肉体の損傷を治そうと、ワシから霊力をどんどん吸い取っていったのじゃ」
「成る程、つまりは俺が蓮香の霊力を粗方吸い取ったってことか?」
話を要約して確認を取ると、何故か頭を叩かれた。
「話は最後まで聴かぬか!ウツケ者!…それだけなら、ここまで吸い取られはせん。九尾の狐を甘く見るな!」
咳払いを一つ、場を正して話を戻した。

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09/24(Sat) 16:49
節制ちゃん

「霊力というのはじゃな、その者の魂に等しい。この意味がわかるかの?」
首を横に振り、意思を伝える。
「うむ、その…ここからは、ちぃと恥ずかしい話なのじゃが…」
蓮香は、頬を赤らめて目を泳がせ、言い淀む。
「なんだよ、ハッキリ言えよ」
じれったくなり、先を促した。
「ワシらは…その、接吻を交わしたじゃろ?…そして、お互い名を伝え合ったわけじゃ…。そのせいで、肉体的な繋がりが生まれてしまった。…して、魂と等しい霊力が交わった訳で…」
そこまで言って、黙ってしまう。
「…なぁ、恥ずかしいかも知れないけど…俺、全く意味が分からないからさ…ね?」
あまりにも彼女が恥じらうものだから、俺まで変な気分だが…俺の責任と言うのであらばキチンと知っておきたい。
なので、やんわりと続きを促した。
すると、蓮香は顔を真っ赤にして叫んだ。
「縁の魂が、あまりにもワシを情熱的に求めるものじゃから、ワシも満更でもなくて、ついつい力を与えすぎたんじゃー!これで満足かっ!?」
言い切るなり、そっぽを向く蓮香。
えーと、つまり…これは…。
「既成事実?」
「八つ裂きにしてくれるぞ、タワケ!」
冗談のつもりが、本気にされてボコられた。
今日は痛い目に会ってばかりだな…。



「と、まぁ…そんなわけで、今のワシは一尾分の力しか残されておらん」
…幼き俺よ、良くや…じゃない、良くもやってくれたな。
「えと…何か、すまない…」
「気にするな…ワシもソナタを気に入っているからの…。じゃが…困ったのぉ…」
小さな体を、更に小さくしてため息をつく。
「殺して霊力を奪うつもりが…これではもう、そんな気も起きぬ…このままでは…」
それだけ言うと、彼女は口をつぐんでしまった。
なにやら込み入った事情がありそうな感じ。
姿は変わってしまったが、好きな人…じゃない、狐が悲しそうな顔をするのを黙ってはいられない。
そこで、俺は彼女の頭に手を置いて、優しく撫でる。
「こ…これ、縁っ!やめぬか、こそばゆいぞ…」
口では反抗しているものの、目に見える抵抗はない。
白銀の髪の毛がさらさらと手をすり抜ける。
「まぁ、よくは知らんが…俺の出来る限り協力はしてやるからさ。そんな顔するなよ、な?」

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09/24(Sat) 17:20
節制ちゃん

蓮香が悲しそうにしていると、俺まで悲しくなる。
しかも、半分以上は俺に責任があるし…。
すると、彼女は俺の顔をじぃ、と見つめてきた。
「本当に…協力してくれるのか…?」
潤んだ瞳でそんな事を言う。
可愛いな、畜生…。
「あぁ、俺が出来ることならな」
彼女の頭から手を離し、自らの頬をかく。言ったは良いが、ちょっと照れ臭かったりしたのだ。
「ならば…その…じゃな…」
言うなり、俯き加減でもじもじとしている。
俺は、そんな蓮香を生暖かい目で見守る。

そして、待つこと数分。

彼女は、意を決して立ち上がり叫んだ。
「その命は貰ったー!!!」
「またかよ!?」
言葉に驚き、反射的に身構えたが…この攻撃は全力で受け止める事にする。
なぜなら、彼女が放った最後の攻撃は…
『満面の笑顔で両手を広げ、胸に飛び込む』
そりゃ、受け止めるしかないよね。
俺は、飛び込んできた蓮香を受け止めて、そのまま床に倒れ込む。
「ふふふ、どうじゃ縁…参ったかの?」
俺の胸の中で、にんまりといやらしい笑みを浮かべて勝ち誇った様子の蓮香。
「あぁ…参った、参った。俺の完全敗北だ」
まぁ、力ではなく、可愛さに心が負けたのは言うまでもない。
俺の言葉を確認し、ずずいと顔を近付けてくる蓮香。
「な、なら!勝者命令じゃ!」
若干の嫌な予感。
「…ワ、ワシを妻として、ソナタの傍に置いてくれぬか…?」
嫌な予感、ハズレ。
「ダッ…ダメかのぉ…?」
懇願するような瞳で訴える彼女に、俺は人生二度目の接吻で応えるのだった。








こうして八尾 縁は、念願の狐・蓮香と結ばれた。
しかし、幸せな二人に迫る黒い影は、すぐそこまで来ているのだ!
だが、幸せ一杯、愛一杯の彼らはまだ知るよしもなかった…。

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10/03(Mon) 22:48
節制ちゃん

第一話・閑話
『結婚したらしたい事』


暗殺騒動の翌朝…。
俺は何者かに起こされた。

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10/03(Mon) 22:50
節制ちゃん

「旦那様ー、朝ですよー…起きてたも」
「うぅ…ん…休みの日くらい、ゆっくり寝かせ…て…」

耳元で囁かれる優しげな声に更なる眠気を誘発された俺は、再び夢の世界へ…。

「これ、縁…眠るには惜しい天気ぞよ。絶好の“でぇと”日和じゃ!」
「デート!?」

俺は聞き慣れぬ単語に飛び起きた。
すると、ゴチン、と良い音と共に激痛が走る。

「「…っ!?」」

俺を起こそうと馬乗りになっていた嫁、蓮香の頭に頭突きをしてしまった。
双方、不意の事だったので、痛みは相当なもので…。
お互いに頭を抱えて唸る。

「お…おはよう蓮香…そして、ごめん…」

我先に非を詫びる俺。

「い、いやなに…元気があってなにより…いたた…ワシにも非はあるからの…遅くなったが、おはよう様じゃ」

それに対し、涙を浮かべながらも笑顔で対応する我が嫁。
うん、良妻だ…流石だよ、蓮香。
そんな風に自らの嫁を心の中で褒め称えながらも、先程の発言の真偽を問う。

「…で。デートって…あの“デート”?」

逢引とか、逢瀬とかの。

「うむ!その“でぇと”じゃ!」

これまた嬉しそうに笑う蓮香。

「やはり、愛し合う男女には必要な事だと思うのじゃ。一度は体験せねば、と」

両頬に手を当てて、恥ずかしそうに語る。

「あのー…蓮香さん…?…そういうのって、結婚前にするものでは…」
「なにぃ!?そっ、そうなのかっ!?」

俺の返しに、露骨なまでにショックを受ける蓮香。
両手両膝をついて項垂れる。
いや、そこまで落ち込まなくても…。

「別に、結婚したらデート出来ないって訳じゃないよ?」

勘違いしてそうなので、一応報告。
それに、仲の良い夫婦は良くするみたいだし。

「…なにぃ!?縁、それを早く言わんかっ!なら、今すぐでぇとじゃ!」

先程の落ち込み様が嘘みたいに消え、すっかりご機嫌な蓮香。
忙しい嫁だな。

「え…朝食とかは良いの?」
「あ…」

その声と共に、腹の虫が鳴いた。

「ゆ…縁ぃ、作ってたも」
「はいはい、了解」

蓮香、料理できないんだね。
何となく、そんな気はしてたよ、うん。



………ちょっと残念。

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