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10/24(Mon) 07:52
節制ちゃん

「およ?どったの?…あ、そうか。お腹も一杯になったし、次はお姉ちゃんを食べちゃう訳ですねっ!!キャー!お兄ちゃん、ケダモノ!ロリコン!イケメン!」
「…誰がロリコンだ、そして俺はイケメンじゃない」
「少なくともアタイ的にゃイケメンだからオッケーッ!!」
「…まったく、少し人の話を…まぁ、いいや。とりあえず、蓮香を寝室に置いてくる…」
「はーい、いってらー。あ、完全防音だから、大きな声を出しても良いからねー」

にやけた茨子を無視して、寝室へ。

二つあるベッドの一つ、蓮香のベッドに彼女をそっと置いた。
静かに寝息をたてて眠る彼女が微笑ましくて、笑う。

「…本当、茨子の言う通りロリコンなのかもなぁ…俺」

小さな我が嫁、蓮香の頭をそっと撫でた。
サラサラの髪の毛が手に心地良い。

「…さて、茨子ちゃんの手伝いでも………って、おりょ?」

その場を離れようと思ったら、物凄い力で後ろに引っ張られてベッドに倒れ込み…丁度、蓮香に添い寝する形に。

「あの、蓮香…さん?」
「うんー…?…ワシは寝ておるぞー…」
「えっと、コレは…一緒に寝よう、寧ろ寝ろってことですね、わかります」
「縁は浮気者じゃからのぉ…しっかり捕まえておかねばなー…ん、縁は温いのぉ…」
「ちょ、俺は蓮香一筋だよ…?」
「くぅ………」

と、話の途中で寝てしまったようだ。
しかし、これだけしっかり抱き締められていては逃げるに逃げられない…と、いうか、逃げる理由は無いよね。
…大人しく寝るか。



…あ、そういや…これ、何気に初添い寝だ。
なんて、ちょっとドキドキしながらも意識を深く、深ーく落としていった。






そうして、時は夕刻…。
俺は昼寝から目覚めて…恐ろしく綺麗に片付いた部屋を見て驚愕する。

『ダメな子かと思ったけど、やるな…茨子ちゃん』


「あ、お兄ちゃん。おそよー、夕食出来てるからお姉ちゃん起こしてきてー」
「お、おう、了解」

しかし、夕食…食卓に出てきた山盛りスパゲッティ・ミートソースを見て思った。


「やっぱり、ダメな子だったか…」
「縁、言ってやるな…こういう子なんじゃ…」
「え?なに?二人ともどうしたの?」






第二話・閑話、完。

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11/07(Mon) 08:47
第三話『銭と縁と金の縁』
節制ちゃん

早朝、まだ鳥も鳴かぬ時間。
俺は、温かいコーヒーを飲みながら静寂を味わっていた。

「ふむ…」

俺は、食卓に置いた携帯に目をやる。
…まだ、か。
静かにため息をつき、コーヒーを煽る。

「ぬぬ…こんな朝早くから、何を渋い顔をしておるのじゃ縁よ」
「む…、あぁ蓮香…おはよう、早いね」

部屋から出てきて、訝しげな顔で問う彼女に対し、なるべく爽やかに返す。
…悟られてはならぬからな…。

「おはよう様じゃ。まぁ、昔からの習慣でな…つい今でも早く起きてしもうての」
「へぇ、成る程ね…」
「で、縁。ワシの質問に答えて…?」

と、蓮香が喋るのを、食卓に置いていた携帯の着信音が遮る。
俺は即座にそれを手に取り、電話に出た。

『…金は?』
「天下の回り物、しかし」
『それを手にして何が悪い…おはよう、ユー』
「えぇ、おはようございます」

何か言いたそうな蓮香に、身振り手振りで静かにするよう伝え、電話に集中する。

『今日もよろしく頼むぞ、ユー。それではまた後でな』
「えぇ、また」

会話を済ませて通話を切る。
そうしてから、蓮香に目を向けた。

「ごめんね、蓮香」
「いや、なに…しかし、なんだったのじゃ今のは………何やら、怪しい匂いがするの…。まさか縁!ソナタ、犯罪に手を染めてっ!?」
「いやっ、蓮香落ち着け!包丁持つなっ!?」

ギラリと輝く包丁を、懐から取り出して掲げる。
俺は必死に宥めるが…。

「縁ー!目を覚ますのじゃー!!」
「それはこっちの台詞だ!…って、危なっ!?」

蓮香は、俺目掛けて包丁を振り下ろす。
それをギリギリの所でかわしたが、服が切られた。

「ふふふ…次は外さぬぞよぉ…?」
「ちょっと待て!?趣旨変わってない!?」
「変わってはおらぬぞ…?…ワシが縁を殺せば、犯罪に手を染めることも無かろう…」
「最初から殺す気だったのか!?」

そんな会話も程々に、蓮香と死闘を繰り広げる事、数分…。

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11/07(Mon) 08:58
節制ちゃん

「なに、仕事の電話とな?」
「あぁ、そうだよ…」

馬乗りになって心臓を一突き!…って所で、何とか説得に成功して、今、絶賛生存中。

「なんじゃー、それならそうと最初から言ってくれれば良かったのに」
「そうだね、ははっ…はぁ」

生傷だらけの俺を目の前に、とても美味そうに俺の淹れたココアを飲み、俺が焼いたクッキーを頬張り、ご機嫌な我らが蓮香さん。

「いや、まぁ…こんなところも可愛いな、なんて思っちゃうダメな俺です」
「?…どうした、縁」
「いや、別に」

と、蓮香の捕食シーンをぽけーっと眺める。
うん、可愛い。

「と、いう訳だから行ってくるねー!」
「…待つのじゃ」
「…はい、なんでしょう蓮香様」

くそぅ…安定の流れでスルーしてくれると思ったのだが、甘かったか。
出来れば、次の台詞は聞きたくない。

「縁、ワシもつれてってたも」
「…やはりそう来たか」
「家にいても退屈なのじゃ、だから…」
「いや、ゴメン、無理…」

蓮香が一緒だと、公私混同しちゃいそうだし…第一、“あの人”に見られたらどうなるか不安だしね…。
俺の大事な嫁を商売にでも使われたら…、と色々な思いがある訳で。

「そうか、無理…か」
「うん、という訳で今日も留守番を頼」
「どうしても…かの?」










「やはり静かじゃのー、世界にいるのがワシらだけみたいじゃな、縁」
「うん…そう、だね…はぁー」

結局、蓮香のお願いを聞き入れて、俺は彼女と手を繋いで出勤中。
いや、だって………あんな瞳を潤ませて上目遣いで頼まれたら、狐好きじゃなくても断れないって…。

まぁ、手に包丁握り締めてたけど。
断ったら………うん、考えるのはやめておこう。

「縁はどんな所で働いておるのじゃ?」
「んーとね…あ、見えてきた」

住宅街の一角に、ポツリと存在する喫茶店。

『White Rabbit』

その名の通り、真っ白な建物で、所々にツタがあしらわれている。
そう、この喫茶店で俺は働いているのだ。
店を目の前にして、蓮香は一言。

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11/07(Mon) 09:27
節制ちゃん

「ほぉー、ここが縁の勤め場か…洒落ておるのー」
「そう?…まぁ、ありがとう」

俺の店ではないが、褒められると嬉しい。
知人の店ってのもあるが、何より俺自身がここを気に入っているから。

「ふむ、しかしまだ開いてないようじゃが…」
「大丈夫、きっとすぐに…」

言葉を言い切る前に、先程まで歩いてきた道から車のヘッドライト光が見える。
そして、その車は俺達の前で停止した。

「ほらね?」

大量の荷物を積んだ軽トラックの運転席の窓を開け、男性が顔を覗かせる。

「やぁやぁ、ユー。悪いね、少々待たせた。ちょっとトラブってな」
「いえ、構いませんよ。いつもの事ですから…それに、今日は俺も遅れましたから」

その原因である、隣の狐ッ娘に視線を移す。
それにつられて、男性もそれを見た。

「えっと…ユー、この小さいのは?」
「あー…まぁ、事情を話すと長いんで…蓮香?」
「うむ、お初にお目にかかります、八尾の妻、蓮香ですじゃ。主人がいつもお世話に…」

俺の意思を汲み取った蓮香は、丁寧に挨拶をする。
それを受けて、男性は軽く会釈した後、目をキラキラと輝かせて俺の肩を叩いた。

「何ですか…?」
「ユー、お前もついに犯罪に手を染めたか…!兄さんは嬉しいぞ!!」
「いや、違いますよ…」
「犯罪!?」
「いや、違うからね…?」

とりあえず、包丁を出した蓮香を宥めて話を進める。

「まぁ、立ち話もなんですから…早く荷物を運びましょう」
「ん?…あぁ、それもそうか。車も返してこなきゃいけないからな」

二人、蓮香の応援を受けながら早々と荷物を店内に移す。

「今日は一段と重いですね」
「まぁな、今日は特別な物だから…あぁ、中身の事は」
「気にするな、ですね。はい」

全てを移し終え、俺と蓮香に店内で待つよう指示して、彼は軽トラックを走らせていった。

「いやー、お疲れ様じゃ!」
「んー…これくらい別に。それにまだ終わってないし」

適当な椅子に腰かけて、蓮香と談話に興じる。

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11/07(Mon) 09:30
節制ちゃん

「にしても、あの殿方は何者じゃ?先は兄さんなどと宣っておったが…」
「あぁ、うん…まぁ、昔からの付き合いでね。歳の離れた兄弟みたいな物かな」

そんな会話をしていると、話題の人物の帰還を入口ドアについたベルが知らせた。

「やぁやぁ、待たせたね八尾夫妻」
「おかえりなさい、銭兄」

こちらに近付き、手頃な席に座ろうとして止めた。

「おっと、失礼。お嬢さんにもてなしの一つも無かったな…コーヒーは飲めるかい?」
「む…甘いのなら」
「了解した、ならキャラメル・マキアートを淹れてあげよう。ユーはコーヒーでいいな?」
「えぇ、お願いします」

そう言って、カウンターの奥へ消えていく。
待つ間、なんとなしに店内を見回す。
店の外観と同じく、白を基調とした清潔感ある空間。
所々に緑があしらわれている。
温かみのある木目調のテーブルと椅子が四組、カウンターは五席程で、こぢんまりとしている店内。
壁には、店主である銭兄の趣味なのか…絵画が掛けられていた。
店内観察も程々に蓮香を見ると、俺と同じ様にキョロキョロと物珍しそうに店内を見回している。
そんな光景を微笑みながらも眺めていると、慣れた手つきで目の前にコーヒーが置かれた。

「はい、コーヒー」
「あ、銭兄。ありがとう」
「にやけてたぞ、仕事中はそういう事無いように」
「おっと、これは恥ずかしい…」

恥ずかしさを隠すように、目の前に置かれたコーヒーに手を伸ばす。
香ばしい匂いとまろやかな苦味が口に広がった。

「…うん、いつ飲んでも銭兄の淹れたコーヒーは美味いね…」
「そりゃどうも、っと」

少しだけ嬉しそうに笑って、銭兄は近場の席に腰かける。

「で、そろそろ自己紹介と行こうか。いい加減、お嬢さんも知りたいだろう」

その言葉に首をたてに振る蓮香。

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