短編
□ゴチソウサマ
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お腹がすきました。
じゃあ、勝手に何か食べなよ。
そうですね。イタダキマス。
「ぽき。むしゃむしゃ。ごくん」
美味しかった?
美味しかったです。すごく。
そう。
でも、まだ食べたいです。
じゃあ、勝手に何か食べなよ。
そうですね。イタダキマス。
「ばきばき。ぶちっ。ごりごり。ずるずる。ごくん」
美味しかった?
美味しかったです。すごく。
ふーん。
もっと食べてもいいですか?
勝手に好きなだけ食べなよ。
そうですか。イタダキマス。
「めきっ。ばきばきっ。ぼきん。ぼたぼた。ぐちゃ、ぐちゃ。もしゃもしゃ。ごくん」
美味しかったです。すごく。
…。
…詩音?どうしたんですか?ボクがほとんど食べてしまって拗ねているんですか?
…。
あ、そうか。もう詩音は話せないんですね。忘れていました。スミマセン。
…。
ウーン、やっぱり残すのはもったいないと思うので、全部イタダキマス。
「ぱくん」
丸い彼女の首にかじりつく。
ボタボタと溢れる血は、まるでココアのようで。バキバキと砕かれる頭蓋骨は、まるで砂糖菓子のようで。ズルズルと啜る脳味噌は、まるでゼリーのようで。ムシャムシャと咀嚼する肉は、まるでマシュマロのようで。最後にパクリと口に入れた目玉は、まるであめ玉のように甘かった。
ゴチソウサマ
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