メイちゃんの執事
□青山
2ページ/11ページ
無邪気な瞳で、メイ様が聞いてきた。
「・・・」
どうやら、答えるまで目を逸らさないみたいだ。
「・・・ありませんよ」
「えっ、ないの?」
「当たり前でしょう?飛び級で進級して、ストレートでこの学園でお仕えしているんです。前にも言いましたが、女性とお付き合いしている時間なんてボクにはありませんから」
ふぅん、と小さく呟いてメイ様は続けた。
「青山でも分からないことがあるんだね」
意外にもそれは、ボクを挑発するような声音ではなく、ガッカリしたような口調だった。
その意味を考えたけどボクには分からず、メイ様も何も言わなかった。
「メイ様?」
「・・・どんな気持ちなのか、青山に教えて貰いたかったの」
「どんな気持ち・・・?」
「男性は射精する時が気持ち良いって書いてあるし・・・女性もその行為で気持ちよくなるってあるけど、その感覚がよく分からなくて。青山ならモテるだろうし、きっと色々経験してるのかなって・・・」
「確かにモテますけど、それとこれとは別の話だと思いますが」
「・・・だよねぇ」
「ですが」
しょんぼりしたメイ様を見ていたら、このまま分からないで済ますのも悪い気がした。
「?」