ダーリンは芸能人

□夏輝〜Sexy Honey bunny〜
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「そりゃ、やるからには俺だって最善を尽くすけど・・・あー、今行く。ま、いいや。ありがとな、夏輝」

遠くで今井さんを呼ぶ声がして、俺達は電話を切った。

そんな電話のすぐ後、伶衣ちゃんからメールが届いた。

自然と顔がニヤけてしまうのが、自分でも分かる。

タイトルには『明日・・・(*^_^*)』とある。

ん?明日何かあったかな?と思いつつ、メールを開く。

『私、夏輝さんの曲のPVに出ることになりました。内緒にしてようと思ったんですけど、嬉しくて黙っていられなくて・・・』

まだメールは続いていたが、俺は最後まで見るまでもなく、伶衣ちゃんに電話をしていた。

なんで伶衣ちゃん?

普通、こういうPVには番宣の意味もあって、ヒロインの女の子を使うのが定番だ。

「もしもし・・・夏輝さん?」

俺の名前を呼ぶだけで、彼女の気持ちが弾んでいることが分かる。

「メール見てく」

「ね、伶衣ちゃん。明日の撮影ってWaveのPVのことだよね?」

「そう、ですけど?」

言葉を遮って捲し立てる俺に、戸惑いながら彼女は答えた。

「それって最初から伶衣ちゃんって決まってたの?PVの内容は聞いてる?」

「えっと・・・最初は斎藤潤ちゃんだったみたいですけど、どうしてもWaveとスケジュールの都合が付かないらしくて・・・」

「そんなのっ」

出てきた名前は、やはりヒロインを務めた女の子だった。
スケジュールなんて別撮りでどうにでもなるだろ、と伶衣ちゃんに言ったところでどうにもならないので、ぐっと気持ちを抑えた。

「あの・・・私じゃイメージと違うから、反対なんですか?」
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